ぬるく愛を語れ!WEB漫画~児童養護施設で暮らしたあのころに~ -5ページ目

ウィングス6月号2018マンガ「夏休み」

告知が遅くなりました。

 

6月号、つまり4月に発売したウィングスのお知らせです。

6月号の表紙はこちら。

 

私のマンガは

「夏休み」

 

小学五年生の夏のお話です。

父子家庭となり、初めて迎える夏休み。

というか、この時父は

「夏休みが終わったら転校手続きをしよう」

と言っていたので

まだどこの学校にも籍が無い宙ぶらりんの状態で迎えた夏休み。

この時期は、それでも新しい暮らしを楽しんでいました。

 

私のマンガは、家族やその周辺の人々を描いていますが

全てを忠実に描いている訳ではありません。

 

フェイクを所々入れていますし

マンガとして構成するにあたり

キャラ付け、演出、の要素も大きいので

フィクションとして楽しんでいただければと思います。

伝えたいテーマは、さりが体験した出来事と感情の機微、

そして家族への思い。それだけが本物です。

 

作品にも「フィクションであり実在の~とは関係ありません」

と注意書きを入れています。

宜しくお願いします。

 

この作品は私が体験を元に

「さり」というキャラを創り

主観のみで描いている物語です。

実在の家族や人物とは関係はありません。

 

私のリアル身内は

私の作品は一切読まないという旨を言い渡しているので

読むことは無いですし

これは「さりの物語」であって私の表現する作品に過ぎません。

 

********

 

子どもの頃

祖母の家で暮らしていた小学5年の春、こういう事がありました。

 

休日、近所で祭があったので

私と姉とイトコは伯母さんにお小遣いを貰い

祭へくりだし出店やイベントを存分に楽しみ

休日明けに学校から出された宿題の作文の題材にしました。

 

作文にこういう一文を入れました。

「祭に行く前、叔母さんはイトコに千円、

私と姉に二人で500円をくれました」

 

私はお小遣いを貰えたのが嬉しくて書いた一文でした。

イトコが母親にお小遣いを貰うのは当然のことです。

私と姉はお小遣いをもらえるとは思っていなかったのです。

 

更に、イトコが欲しいものを次々買い食いするなか

私と姉は、本当にお金を使う価値のあるものを吟味しながら

濃厚な時間を楽しんだと書くつもりでした。

 

居間で作文を書いているところを祖母がのぞき込み

「お小遣いの額を本当に分け隔てしたのか」と伯母を問い詰めました。

 

伯母はそんなことをしていない、同じ額を確かに渡したと言い張り

祖母は「こんな作文を先生に読ませるわけにはいかない」と言い

伯母は私に作文の書き直しを命じました。

 

私は目の前で確かにイトコが1000円札を貰い

私と姉には小銭で500円渡したのを覚えていたので

「事実ではない事は書けない」と突っぱねたのですが

伯母さんを激高させてしまい、泣く泣く作文を消して書き直しました。

 

イトコと私が同じ額を貰った事にすれば

作文に書こうと思っていたイトコが遊んだゲームを観戦したことや

使える額が少ないからこそ姉と一つ一つ慎重に巡った屋台のこと、

存分に時間をかけて抜いた型抜きの楽しさが伝わりにくくなりました。

私は私の物語を書きたかっただけなのに。

 

 

でも、このときに

事実に拘ると誰かを傷つける事になる。

そう学びました。

 

話が脱線しましたね。

では、ウィングス6月号

宜しくお願いします。

 

 

 

 

 

 

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