8月28日に行われたU-12ジュニアサッカー
ワールドチャレンジ2016をご覧になりましたでしょうか。


バルセロナジュニアが大宮アルディージャジュニアを
1-0で下して優勝しました。


ホイッスルが鳴って勝利を喜ぶバルサの少年たちですが、
大宮アルディージャの選手が泣きながらうなだれる様子を見て、
すぐに慰めようと駆け寄りました。


その様子が関係者の中でも話題になっていて、
スポーツマンシップにあふれた行動だと評価されています。


勝てばいいのではなく相手がいるから試合ができる。


世界中のチームはバルサを倒そうと頑張っていることを知っていて
そうして互いにレベルアップしていくこと。


監督の指示で行動しているのではなく、自分たちの判断だということが
素晴らしいです。


私たち指導者もこのような部分まで指導できればと思います。


この大会は11人制で行われ、久々の11人制少年サッカーを見て
昔が懐かしくなりました。


バルサの攻撃は素晴らしいですが、私は守備的に注目していました。


相手がボールを持つとまずひとりがプレッシャーをかける
または、ドリブルを遅らせるというプレーをします。


相手のパスコースを切ることが目的でむやみに奪いにいきません。


ただし、パスコースを狙っているバルサの選手はインターセプトで
すぐに攻撃に転じて行きます。


また、ドリブルに対応して相手をスローダウンさせる事が出来た瞬間に
バルサの守備陣がどっと取りかこみます。多い時には5人で囲んでいました。


ボールを奪うというスキルと意識の高さに驚きました。


そして、奪ったボールを攻撃につなげる
切り替えの早さも素晴らしいものでした。


まるで、味方がボールを奪うことを
予測しているようにフォワードの選手が
よいポジションに走っています。


相手がどういう状態でボールを持っているか。


バルサの選手は実にメリハリのある
守備を見せていたと思います。


相手がトラップミスをすると
猛然とボールを奪いに襲いかかります。


しかし、トラップが成功して前を向いて
ボールコントロールが出来る状態では飛び込むことはしません。


また、ルーズボールを奪い合うシーンでも
実に巧みな体の使い方と


絶対にボールを自分たちのものにするという
闘志をむき出しにして戦っていました。


守備とは守ることではなく、ボールを奪って
攻撃することという言葉がピッタリくるプレーですね。


これは8人制サッカーでも11人制サッカーでも同じです。
もちろん、日常の練習メニューの1対1や2対2でも同じですことです。


この大会を見て、我がチームに還元したいと感じたことはずばり!
1対1の対応能力、対人プレーの向上です。


ボールを奪われない、ボールを奪う、
奪い合うというプレーをもっともっと
激しくしていいと感じました。


組織プレーは対人プレーで勝てないと
成り立たないとも感じます。


激しい守備が当たり前になっているチームは攻撃も強いものです。


チームの環境が激しい守備が土台になっているので、本番の試合でも
とまどうことなくボールを持ち、顔を上げて判断することができます。


レベルの高いプレーを見せてくれたバルサと大宮アルディージャ。


将来のワールドカップで活躍する選手が
この中にいるんだろうなと期待しながら見ていました。



目標を高く持って練習に励みましょう!



シンプルに「向上心」がなくなったら、指導者は指導者としての価値が半減します。

指導者はどうしても「教えたい」、「教える」ということを先に考えてしまいます。

しかし、実は指導者として一番大切なのは「学ぶ」という意欲です。

それは、義務感からくるものではなく、学びたくて仕方ないくらいの好奇心を自然ともてるかどうかなのです。

好奇心のない指導者には共通していることがあります。

それは、「横柄」です。

逆に、好奇心のある指導者や学ぶことが好きな指導者は共通して「謙虚」です。

モウリーニョ氏やグラウディオラ氏、ヒディング氏やファン・ハール氏の発言や態度、振る舞いを真似ても何にも意味がありません。

大切なのは、あの方々の思考や言葉はどこからきているのか、数々の名言の裏には「知」があります。

それは、一体どこからくるのでしょうか。

「知」は、ときにユーモアを生みます。
「知」は、ときに共感を生みます。
「知」は、ときに威厳を生みます。

指導者が指導者でなくなる瞬間とは、

ユーモアや共感、威厳を生まなくなったときです。

学びをやめた人間には、指導者として必要な「知」がなくなります。

私が出逢ってきた素晴らしい指導者のみなさんは、
指導者になることが目的なのではなく、
どうしても人に伝えたくなるくらいの「想い」があるから指導者になった方々ばかりでした。

そこにたくさんの「知」をもっているかどうか、それこそが指導者が「指導者」として存在し続けられる証明だと思います。

みなさん、順序を間違えないでください。

順序を間違えた指導者は、
子どもから「好き」を奪い取ることになります。

何故なら、指導者がゴールの人は、時が経つにつれ、誰かの成功例を真似、自分の心の底から湧き上がる「想い」とは違うものに頼り、気がつけば、勝手な指導者像の中で得た、強引かつ身勝手な「知」を一方通行に子どもたちに投げつけ始めています。
 
どうか、指導者として好奇心を持つことを忘れず、学び続けてください。

あなたの「好き」なことが、子どもの「好き」を大きく開花させることになるのですから。


自分が注目していることが3つあります。


あまりJリーグの話題に触れませんが、名古屋の連敗を止めた
闘莉王の存在感には、あらためて日本サッカーに足りない何かを
感じました。


リオ五輪ではデフェンスが課題になりましたが、A代表も含めて
守備のリーダーとファイタータイプの選手の選考について
考えさせられました。


次の注目は、俺バルサの久保建英君です。
中学生Jリーガーの登場というニュースで、そういえば
森本以来だなあと思い返しました。


森本はフィジカルのスピードが魅力でしたが、久保くんは
違ったタイプ。スピードとハイレベルの技術に判断力が備わって
います。


すでにバルサ内定のニュースも流れていますが、目が離せません。


最後の話題は、読者の皆さんの中にも該当しているかもしれませんが
クラブチームのセレクションとジュニアユースチーム選びの問題です。


強いチームに入って、強い高校に入って、Jリーグにアピールする。
Jリーグだけでなく、海外チームのスカウトにアピールする!
という方もいるでしょう。


いや、Jリーグでプレーした後を考えると大学に行っておいた方がよい。
大学リーグが充実してきている。武藤など大学生でJリーガーになった
例もあるし。


という考え方もあるでしょう。


将来の夢や希望を高く持つことは素晴らしいことです。
そのために日々の努力をすることも素晴らしいことです。


その目標のドアノブとも言えるセレクションで
どんなプレーをすればいいかという内容です。


今年もこの時期が来たか。と思う日々です。



自分を知ることが大事です。サッカーが好きか、中学生になっても
サッカーを続けたいか。


なぜそのチームに入りたいか。自分で決めたのか。


自分の長所と短所が言えるか。長所を伸ばす、
短所をなくすためにはどうすればよいか考えているか。


そのクラブに入った場合の生活がイメージ出来るか。
勉強時間、睡眠時間が確保出来るか。


そのクラブに入った場合の保護者の負担を考えているか。

送り迎えが必要か、金銭面はどうか。

遠征、合宿など意外にお金がかかることを知っているか。

セレクションに落ちた時の進路を考えているか。
その進路を選んだ時にでもモチベーションを維持して
サッカーが続けられるか。


以上のようなことを選手と保護者に伝えて、相談しています。


テクニックのことなどは、ここでは触れません。
もっと土台の部分に注目します。


小学生を指導していると、この子は中学生になって伸びる
タイプだなと感じることがあります。


基準は、ダイナミックなプレーが
出来るということです。


ひとつひとつのプレーで終わらず、連続して走りながら
攻撃、守備という流れに乗ってプレーが続けられること。



ダイナミックと言っても、パフォーマンスがダイナミックな
訳でなく、コートの中での活動量のことを指しています。


どうでしょうか。
ワンプレーで終わっていませんか。


トラミスをして、そこでプレーが終わっていませんか。
パスミスをして、そこでプレーがおわっていませんか。


ドリブルを止めに行ってかわされた、そこで終わっていませんか。
シュートをブロックしようとしてスライディング、かわされたあと
すぐに立ち上がってプレーしていますか。


セレクションでも、この「流れるような動き」を
注目しているかもしれません。


この子、サッカーを知っているなあ。
と感じさせることもポイントのひとつです。


正確に止める、正確に蹴る、ドリブルスピードを上げるという
技術は、ジュニアユースに行ってからでも身につけることが
出来ます。


実際に、ジュニアユースコーチ側からは、基礎技術は入ってから
みっちり仕込むので問題視していない。


サッカーへの取り組み姿勢だけは、ハートの問題なので
そこを見ている。


そういうクラブもあります。


サッカーへの取り組み姿勢は、試合中のプレーに出るものです。


連続してプレーする。ワンプレーで終わらない。


この意識で練習するだけで、サッカーというゲームの楽しさと
深さを実感出来るかも知れません。


次の練習からでも意識してみて下さいね。


私も選手たちをしっかり観察して、連続したプレーが出来ている
選手は思い切り褒めようと思います。


それを見て、他の選手へよい影響が生まれればチームは強くなります。