先日、某社の社長と話をしているとき、日本の教育制度の話になった。


日本の教育の方法の課題はいくつもあるが、受験勉強だけはビジネス上非常に役に立った、ということだった。


日頃は日本の教育システムについて疑問視していた方だけに、その話は意外だった。


「受験勉強のどこが役に立ったんですか?」


と聞くと、意外な答えが返ってきた。


「特に英語が役立った。

 受験勉強で学んだ英語は非常に丁寧な英語で、上流階級が話すような英語だ。

 だから、商談の時に受験英語を話すと、知的な人間であると評価してくれた。

 僕より英会話を流暢に話す人がいたが、彼は皿洗いのアルバイトの時に身についた英語で、上品さがなかったので、商談もなかなかうまくいかなかった」


さらに、


「日本史と世界史を勉強したおかげで、海外で高く評価された。

 某国に行ったときには、“我が国の歴史に詳しい外国人はあなたで二人目だ”と言われ、すぐに信用された。

 しかも日本史にも詳しかったので、しっかりしたオピニオンを持つ人間だと評価された」


この経営者は、世界的にも有名な経営者とも対等にビジネスをしてきた人物だが、その国際性に役立ったのが受験勉強だったという。


「ということは日本の受験勉強は国際化に役立っているんですね」


と聞くと、「そうだよ」とのこと。


ん~、もう少し受験勉強をがんばっていれば良かったかな・・・