ローズウッドです音譜
 
セミナーに行って来ました。
 
 
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第1部医師講演
山内英子医師
(聖路加国際病院乳腺外科部長)
『こころが繋がる医療へ向けて:乳腺外科医から』
 
ひとりではないのです
 
女性の生涯における乳がんに罹患する割合は
 
(日本>12人に1人<欧米>8人に1人
 
しかし
 
抗がん剤の副作用・服用量を調整する腫瘍内科医がいたり、
 
どう乗り越えたら良いかをサポートする人がいたり、
 
ひとりひとりの周囲には家庭・友人・医療従事者など様々なサポートする人がいる。
 
全てを諦めないでください
 
乳がんについて欧米では閉経後が多い。
 
それに比べ日本では3人に1人が就労可能年齢で罹患している。
 
がんに罹患していることにより
 
仕事や家事ができなくなる年間労働力損失は(最大)1兆8千億円
※がん罹患者が全員仕事を辞めた場合。
 
と言われている。
 
また調査によると
 
乳がんの社会における損失が多く、労働損失は約491億円と推計される。
 
聖路加国際病院では様々なサバイバーシップ支援プログラムを実践してる。
 
【就労Ringプログラム】
 
社労士・産業カウンセラー・患者が一緒になって働くことへの希望や思いを話し合うグループワーク。
 
【がん患者のリプロダクション外来】
 
化学療法による卵巣の影響に関して妊孕性を考えて相談する。
<卵子凍結など>
 
【チャイルドライフスペシャリスト】
 
子供に何と伝えたら良いか?
 
子供を抱えての治療は大変。
 
また子供も不安になる。
 
その悩み・ストレスへ対処する専門家。
<患者と子供の心のケア>
 
できることを一緒に行っていきましょう
 
がん化学療法に伴う認知機能障害
<ケモブレイン>
 
曖昧で伝えにくい症状である。
<辛さを表現することが難しい>
 
残念ながら絶対的対処法はない。
 
焦らずゆっくり戻していきましょう。
<頭の体操・メモを取る、など>
 
その他…
 
【ビューティーリング】
 
抗がん剤の見た目の変化に対するメイク・ネイルの提案。
 
【シェイプアップリング】
 
体重のコントロールが大事である。
<乳がんに適した運動プログラムの開発中>
 
上手く付き合っていきましょう
 
様々な治療が可能になったがんは今、慢性疾患と言える。
 
長く付き合っていかなければならない。
 
その為にもがんサバイバーシップ支援で「繋がる」ことは大切である。
 
患者らしくではなく「あなたらしく」
 
ひとりひとりの人生。
 
がんを経験してあなたらしく生きる。
 
あなたらしく生きるとは…
・人に寄り添う
・育てる
・感謝する
 
あなたらしい選択ができる様にあなたを伝えましょう。
 
 
講師:勝俣範之医師
(日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授)
『こころが繋がる医療へ向けて:腫瘍内科医から』
 
腫瘍内科医とは
 
メディカルオンコロジスト。
 
・がんの総合内科医
・抗がん剤の専門医
・チーム医療のコーディネーター
 
ブラインドランナー(視覚障害者ランナー)の伴走者の様にそっと寄り添う立場でありたい。
 
がんと上手く付き合う為の心得
【トリプルA】
・焦らず!
<自分を見失ってしまいがち>
・慌てず!
<本来の自身を取り戻すことができなくなる>
・諦めず!
<一緒に頑張る>
 
「ちょっと待てよ」と冷静に立ち止まることが大事である。
 
がんと上手に付き合う為には
 
・良い味方<医療従事者・家族・患者会など>を見つける
・正しい情報を知る
 
インターネット情報の半分は嘘である⇒気をつけること。
 
予防的皮下乳腺全摘・卵巣摘出したアンジェリーナ・ジョリーの言葉「知識は力です」
 
抗がん剤の誤解
 
・抗がん剤は効かない
・抗がん剤をやると身体がボロボロになる
・抗がん剤をやると仕事もできなくなる
 
「がん」の治療法
 
①手術治療
②放射線治療
③抗がん剤治療
④緩和治療
 
緩和ケアはQOLを改善する行為であり、緩和ケアの目標はがん治療の目標と同じである。
 
<概念>最後に緩和ケアと思ってないか?
 
今は三大治療と平行して同時にやっている、という考え方である。
 
「生活の質」とは
 
・個人で違う
・QOLを改善することで生存率も上がる
 
具体的には
<例>
・家族と普通の生活がしたい
・カラオケを楽しみたい
・婚約者と結婚式を挙げたい
・世界一周旅行したい
 
あなたの大切にしたいことを医療従事者に話しましょう。
 
<よくある>Q&A
 
Q玄米を食べ、肉を食べるのを止めました。
 
A玄米・菜食主義ががんに対して治療効果があるという科学的根拠はない。
 
Qがんに良いサプリメントは?
 
Aサプリメントには女性ホルモンが含まれているものもある為、注意が必要である。
 
Q抗がん剤中はナマモノを避けた方が良い?
 
A血液がん以外での抗がん剤治療中はナマモノを食べても影響はない。
 
Qマスクの着用は?
 
A感染予防はあまりない。
 
Q前向きに生きた方が良いといわれるが、なかなか前向きになれない。
 
A皆が前向きになれる訳ではない。
 気にせず、あなたらしく!
 
Qストレスががんの原因?
 
Aストレスが発がんリスクになるという説は医学的に否定されている。
 
Q1日中がんのことばかり考えてしまいます。
 
Aがん患者になるのをやめましょう。
 
大切なこと
 
自分を否定しないこと。
そのままの私で大丈夫。
焦らずできることから少しずつやっていきましょう。
 
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患者トーク:『伝えたい私の経験してきた事』
吉田久美さん
『子供への伝え方・私の場合』
 
告知されてよぎったのは「死」
 
子供達、どうしよう…。
どうやって伝えようか?
どこまで伝えようか?
 
悩んだ末にちゃんと伝えようと決めた。
 
担任の先生にも話した。
 
長男は「がん」という言葉にショックを受け、次男はまだ幼かったのでよくわかってない様子だった。
 
最初の頃、長男は治療が始まると外に出なくなったり部活の遠征を途中で帰ってきてしまった時期があった。
 
しかし治療期間の経過と共に子供逹は落ち着いてきた様に思う。
 
また今ではそういう子供達の心をケアする為の判り易く書かれた本がたくさん出ている。
 
子供の辛い経験は本人の将来にプラスになれば、と思っている。
 
自分を信じて、子供の力を信じて伝えていくことが大事。
 
 
加野亜紀子さん
『なんで私が乳がんに?!~仕事と暮らしとがん治療~』
 
毎年受けてる検診で見つかる。
<自覚症状はなかった>
 
仕事柄、乳がんに関する知識は人よりも多かった。
 
「早期に見つかれば10年後90%の人が生きている」
 
しかし当事者になると
「10年後の自分が生きていない可能性が1割もある」と考えてしまった。
 
乳がんを経験して
<良かった事>
・上司に相談した結果、配慮して貰えた
・ひと月に一度、産業医と面談
・職場の皆に訴え、理解して貰った
<反省した事>
・もっと甘えれば良かった
 
※加野さんはご自身が職場的に恵まれていたことも同時に話されていました。
 
がん患者経験者の就労問題
 
・勤務者の34%が依願退職、解雇されてる
※自営業の13%が廃業。
 
・厚労省のガイドライン「治療と職業生活の両立支援」ではがんに対する留意点として
 
①がん治療の特徴を踏まえた対応
②メンタルヘルス面への配慮
 
が挙げられている。
 
仕事はできるだけ続けた方が良い。
周囲の人によく理解して貰って、要望を伝えることが大事である。
 
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【まとめ~山内医師~】
 
できれば自分のことを職場で話す方が良い。
 
がん相談支援センターは必ずどこの病院内にもある⇒活用する。
患者の声が上がれば病院も変わる。
 
治るものなら少しでも良い治療を…と思うがエビデンスがない研究段階のものを提案する訳にはいかない。
 
【まとめ~勝俣医師~】
 
がん患者だからといって特別に食べなきゃいけないものもないし、食べちゃいけないものもない。
 
ネットに出てる実験的治療(保険適用外)はお勧めできない。
実験的治療は研究費で行うものであり、本来、患者からお金を取らないものである=無料で参加できる治験がある。<治験は少ないが>
 
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ここで休憩。
 
パティシエ タカギのケーキショートケーキ<美味しかった!>&お茶タイムコーヒー
 
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第2部
『キッチンから帰る乳がん治療中と後の食生活』
~心も体もすっきりとリセット~
講師:宮下麻子さん
(米国登録栄養士)
 
がんを予防する出発点は腸内環境から。
 
日和見菌を善玉菌に変えていくことが必要。
 
免疫機能・体内炎症を左右するのが食事と栄養である。
 
発酵食品を多く摂取することを心がける。
 
◆1日これだけは揃えておきましょう◆
 
・全穀物類
・彩り野菜<1色濃い野菜を>
・季節の果物
・肉、魚、卵、乳製品
※治療中は質の良いものを少し食べる
・良質の油脂<魚、オリーブ油、ナッツ>
・無添加調味料
 
◆避けるもの・控えるもの◆
 
・食品添加物を多く含む食品調味料
・燻製
・加工食品、インスタント食品
・焦げた動物性食品<焦げた肉>
・精製食品
・清涼飲料水
 
理想の摂取量はあるが完璧を目指さない。
 
目安としては…
<野菜の1日摂取量>
・3~5カップ。
 
<穀物の1日摂取量>
・茶碗1.5~2膳。
※白米でも良い。
 
<タンパク質+脂肪>
・手のひらいっぱいサイズ。
・魚介類中心に脂肪の少ない鶏肉。
・赤身の肉<しゃぶしゃぶで>
・ナッツ、アボガド、乳製品、卵。
 
◆乳がん予防・治療・再発防止に必要な栄養素とは◆
 
・ビタミンD
<魚の油、卵、乳製品、乾物>
・ビタミンE
<オリーブ油・アボガド・魚類など>
・ビタミンC
<柑橘類、濃い緑の野菜など>
・セレニウム
<ナッツ・魚介類、牛肉、玄米など>
・クルクミン
<ターメリック>
・イソフラボン
<大豆、葛粉>
・ポリフェノール
<ベリー類、赤ワイン、チョコレートなど>
・オメガ3脂肪酸
<青魚・亜麻仁油・チアシードなど>
 
◆口内炎の時◆
 
柔らかくて口当たりの良いクリーム状の食品を選ぶ
・野菜と豆腐を柔らかくなるまで煮たもの
・クリームベースのスープ
・プリン、ヨーグルト
・柔らかいパンにサワークリームやディップ
・葛りんご
・りんごのすりおろし、シャーベット、果物や100%ジュースを凍らせたもの
・味付けの薄いもの
 
【避けるもの】
 
・酸が強いもの
<柑橘類、トマトベースの食品>
・乾燥食品
<クラッカーやシリアル>
・辛いもの
<カレー、唐辛子>
 
◆吐き気と嘔吐の時◆
 
・スープ類など食べ易いもの
・冷やした生姜湯は吐き気止めとして効果的
・キャベツは胃腸の粘膜を丈夫にする
 
◆味覚・臭覚が変わった時◆
 
・新鮮な野菜やシャーベット等の冷たい食べ物の香りは弱い為、温かい物より食べ易い
 
◆便秘の時◆
 
・食物繊維、水分補給、ドライフルーツ、カフェイン、お白湯
 
◆下痢の時◆
 
・ペクチン、水分と塩分補給、淡泊な肉や魚
 
【避けるもの】
 
・生野菜、果物、揚げ物、冷たい牛乳
 
◆むくみや身体のほてり◆
 
・解毒作用、利尿作用がある食品を取る
<ごぼう、大豆、胡瓜、大根、梨、トマト>
 
◆貧血/疲労感◆
 
・タンパク質
<肉類、魚介類、卵、乳製品など>
・鉄分
<濃い緑の野菜、海藻類>
・ビタミンD
<魚油、きのこ類、乾物類>
 
◆抜け毛の時◆
 
・ビタミンA、B群、C、βカロチン
・シリカ
<いちご、ピーマン、雑穀、じゃがいもなど>
 
口から食べて摂取するに限る。
がんに効くサプリメントは無い!
 
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今年初のセミナー参加だったけど、昨年聴講した他セミナーの医師講演内容と重複していて、新しい情報は少なかった感じ。
 
でもおさらいができましたね。
 
いつも山内医師のお話を聞くと思うのは
 
聖路加は凄いなぁ、ということ。
 
というか…病院格差の様なものも感じちゃいますね。
 
ただ大事なことはこれからは
 
患者も声をあげて医療や病院を変えていくことなのかな。
 
受け身から参加型へ、ですね。
 
またがん患者と就労問題は大きな課題だと思いました。
 
患者の体験談はひとりひとり違ったストーリーがあってそこに学びがあり、希望があります。
 
聞けてとても良かったです。
 
食生活については耳が痛い話ばかりで…。
 
もっと彩り豊かな食卓にしなければ、と反省しきりです。
 
ただどのセミナーもそうですが盛りだくさんの内容の為、後半のプログラムは押し気味で時間不足だったのが残念かな…。
 
そして会場で声をかけてくださった方、ありがとうございました。
 
タモブレイン(私が服用しているホルモン薬はタモじゃないけど)のせいか、
人の顔をなかなか一度に覚えられなくて…。
もしかしたら失礼しちゃった方もいらっしゃるかもしれません。
 
そしてNスキーさん
隣席が空いてて良かった笑
一緒に時間を過ごせたことに感謝ですはぁと