最終章
1. 絶望と期待の「プロローグ」
ギャラクシーの解散と天野の独立会見。里理さんは「ようやく彼が帰ってくるかも」という微かな期待と、会見で自分たちの存在が一切語られない寂しさの狭間で揺れます。アイドルとしての彼を愛しながらも、一人の男として自分と息子(雅鷹)を認めてほしいという切実な願いが描かれています。
2. 嵐の中の沈黙
独立後の混乱。メール一通で放置される不安な一週間。J&Mの崩壊とスキャンダルの嵐。天野は「守るために」距離を置いているのか、それとも余裕がないだけなのか。里理さんの「信じて待つしかない」という忍耐強さが際立ちます。
3. 「水城さん」と呼ばれる距離
再会したのは、天野が作った個人事務所。しかし、そこで待っていたのは、彼を「仕事」として支える最強の布陣でした。
なっくん: 事情を知らない善意のアドバイザー。
御園遙: クールで有能、そして天野への「女の顔」を覗かせるマネージャー。
4. 強敵現る?
事務所での里理の立場は、敏腕マネージャー・御園遙の徹底した管理下にありました。「女性関係は御法度」と釘を刺す御園。彼女の有能さと天野への献身的なサポートを目の当たりにし、里理は言葉にできない焦燥感と、彼女への苦手意識を抱きます。
一方で、かつての仲間・なっくんとの買い物では、里理が「シングルマザー」であることを告白。事務所では、「家政婦」としての皮肉な役割でもありました。
5. つかの間の逢瀬
深夜の事務所。御園が帰った後、天野は里理を呼び出します。そこで明かされたのは、天野が抱えていた巨大な不安でした。
グループ解散、独立、そして里理と雅鷹を「守らなければならない」という重圧。 「俺にはお前が必要なんだ」——。 強気なアイドルの仮面を脱ぎ捨て、一人の男として里理に縋る天野。
二人は事務所の簡易ベッドで、互いの存在を確かめ合うように激しく求め合います。プロポーズにも似た愛の言葉を受け止めるのでした。
6. 帰れない夜
事務所での情事の後、里理を待っていたのは「捨てられた子供」のような顔をする天野と、実家で娘を案じる父・哲の厳しい言葉でした。親の反対を押し切ってまで天野を支えようとする里理ですが、父からは「無責任な付き合いはやめろ」と核心を突かれます。 そんな里理を救ったのは、若い義母・真美子でした。彼女もまた「訳ありの恋」を経てこの家に来た一人。二人は初めて「母娘」として心を通わせ、真美子は里理と雅鷹を全力で守ることを誓います。
7. 怖い視線
密会を続ける里理に、敏腕マネージャー・御園遙の鋭い視線が突き刺さります。
なっくんは里理を飲みに誘い、天野と里理の関係を……天野の成功を願うからこそ、そして里理を愛しているからこそ、 「あの人と別れて、俺と付き合おう。子供の認知も、俺が全部やるから」 里理は究極の選択を迫られることになります。
8. 想いの錯覚
なっくんは里理に対し、「自分(なっくん)が父親代わりになり、里理と籍を入れる」というカムフラージュ案です。
揺れる里理の前に現れたのは、その様子を暗闇から見ていた天野でした。
9. わからなくなる
怒り狂った天野は里理の部屋に強引に上がり込みます。里理は恐怖と疲弊から「もう事務所には行かない、離れたい」と訴えますが、天野は「お前がいないと意味がない」というドラマ以上の甘い言葉と、剥き出しの独占欲、夜が明けるまで何度も身体を重ねます。どれほど危険であっても、里理は絶望的なまでの愛着を再確認するのでした。
10. 衝撃のワンシーン
里理は、眠っている天野にキスをする御園の姿を目撃し、激しい動揺を覚えます。
さらに「里理となっくんが付き合っている」という情報をなっくん本人から聞いたと明かします。御園の「妄想」とも「執着」ともとれる不穏な空気に恐怖を抱きます。
11. 困惑する現状
事務所内では、なっくんと里理がカモフラージュの恋人を演じる一方で、天野の欲求不満は限界に達していました。
仕事の合間の控え室で、天野は強引に里理を組み敷き、天野は里理への渇望を止めようとしません。
12. 熱い抱擁
控え室での情事の最中、なっくんの警告によって寸前で踏みとどまった二人。しかし、その直後に現れた御園の「異様な早さの帰還」に、なっくんは不穏な予感を抱きます。天野は去り際、里理に「今夜事務所に来い」と強引な約束を取り付けます。なっくんは、天野の危うい魅力に惹きつけられながらも、暴走する彼と、それを取り巻く御園の「執着」の深さに危機感を募らせるのでした。
13. 目撃
事務所での夜。天野はなっくんを見張りに立たせ、本能のままに里理を求めます。
しかし、多幸感に包まれて帰宅した里理を待っていたのは暗闇の中に佇む御園遙でした
14. 発覚
御園に問い詰められた里理は、一度は身を引く覚悟を決めますが、そこへ親父さんが割って入り、さらに天野本人が雅鷹を抱いて現れました。
天野は「隠すつもりはない」と御園の前で里理と雅鷹を家族として認め、独立の真意も家族を守るためであったと宣言します。
御園は天野の冷徹なまでの「ビジネスとしての信頼」と「里理への愛」の差に、絶望の淵に立たされました。
15. 喪失
御園を帰した後、天野と里理は二人きりの時間を過ごします。
天野は用意していた結婚指輪を里理に贈り、「これからは家族だ」と深く誓い合いました。翌朝、天野は婚姻届を提出し、里理は新しい生活のために買い出しへ。
しかし、幸せの絶頂にいた里理に届いたのは「雅鷹が消えた」という真美子さんからの悲鳴でした。誘拐犯の正体が、天野に拒絶され全てを失った御園であることは明白。警察にも通報できない極限状態の中、里理たちは暗闇での待機を余儀なくされます。
16.贅沢な思い
【雅鷹の誘拐と御園の真意】
雅鷹が連れ去られ、里理と天野は地獄のような不安の中にいた。誘拐犯である御園マネージャーから電話が入る。彼女の動機は、天野の不用意な「口説き文句」による勘違いと、天野を完璧な「アイドル」として守りたいという歪んだ献身だった。天野は「俺はもうアイドルを辞めた。家族を、妻を、息子を手放さない」と決意をぶつけ、警察に通報しない代わりに雅鷹を返すよう説得する。御園は天野に似た雅鷹の無邪気さに毒気を抜かれ、翌日の制作発表で子供を返すことを約束する。
【衝撃の記者会見と家族の誕生】
翌日、ドラマの制作発表会見。天野はカメラの前で、なっくんに抱かれた雅鷹を自分の腕へと受け取り、「俺の子です。昨日入籍しました」と世間に向かって堂々と宣言する。アイドルという虚像を脱ぎ捨て、一人の俳優、そして一人の父として生きる覚悟を見せた天野の姿に、会場はどよめきと拍手に包まれる。里理はテレビの前で、ようやく戻ってきた日常と家族の姿に涙する。
【許しと旅立ち】
事件後、御園は深く反省し、自らの罪を認めて事務所を去る。里理は、憎むよりも許す道を選び、彼女がいつかまた業界に戻れるよう願いを込めて送り出した。なっくんが正式にマネージャーを引き継ぎ、濱口さんのサポートも得て、天野の個人事務所は新たなスタートを切る。
〜エピローグ〜
騒動から数ヶ月。天野の「父親役」としてのドラマは大ヒットし、雅鷹も子役として出演するなど、世間は彼らを温かく受け入れた。
年末、かつての仲間たちが華やかなステージで輝く中、天野は「自分はもうアイドルの卒業式を終えた」と語る。
コタツで寄り添い、ありふれた、けれど確かな愛を交わす里理と天野。
隠すことのない「本物の家族」になれた喜びを噛み締め、二人は新しい年、そして新しい命の予感と共に、リアルな幸福の中へと歩み出していく。