今回のブログ記事は前回からの2部構成となっております。
先に前回の投稿を読んでからこの投稿を読んでいただけると嬉しいです。
この子育て体験記を悠太本人も読んでいることがわかり、事実と違うことを書いて悠太を傷つけたくないと思いました。
そこで前回のカード事件について本人に確認したところ、一部私の記憶と違う部分がある事がわかりました。
悠太の話では、2つの出来事は同じ時期で小学生の頃の話です。
- 弟が持っていた箱を黙って工作に使ったことがバレて大げんかになり、泣きながら謝った。
- 同居していた叔父さん(夫の弟)が遊戯王のカードをコレクションしていて、その中に悠太の持っていないカードがあり、それを取った。
「人の物を黙って取ってはいけないと思ったけれどカードを入れるファイルを順番に埋めたかった。ファイルの空いているところを埋めたくて黙って取ってしまった。バレなければいいと思った。」
との事でした。
並べ方の順番にこだわったり、工作したいとかカードがほしい気持ちを抑えられないのは障害の特性のひとつです。
しかし、人の物を黙って取ってはいけないとわかっていながら取ったとなると、そこは教えなければいけないと思いました。
私「自分が大切にしているものを黙って取られたらどんな気持ちがする?」
悠太「嫌な気持ち。不快だ。」
逆の立場で説明すると実感したようでした。
遊戯王の漫画のなかでも、他人のカードを取ってはいけないという事が描かれてあったそうです。
「遊戯王が『カードを盗むとは許せない事だ!』と言ってたんだ。遊戯王の言う通りだと思う。」
と話していました。
悠太の障害がわかる前は悠太の行動にいちいち腹を立て、むやみやたらと悠太を怒っていました。
障害があるとわかってからは、悠太なりの理由を聞いてから、優しく丁寧に教えることを心がけてきました。
私自身のいたらなさが見えてくるようになってからは、自分もできない事だらけなのに悠太ばかり怒ってはいられないと、言うべきことを言えなくなった時期があります。
そんな30年もの紆余曲折を経て私がたどり着いた結論は、愛を持って叱るということです。
障害の有無に関係なく、社会人として善悪の判断がつく大人になることは、悠太が幸せな人生を歩む為に欠かせない条件だと思うからです。
今の私は悠太が大切だからこそ、やってはいけないことは絶対に止めると決めています。
冷静に悠太に理由を聞き、時には優しく、必要なら厳しい態度で叱るようにしています。
たとえ私の言い方で伝わらなくても、世の中には教え導いて下さる方々がたくさんいます。
悠太にとって遊戯王の漫画がそうであったように、口うるさい母親の言葉より、好きな人や尊敬する人から言われる方が悠太も受け入れやすいと思います。
障害があるからできなくても仕方がないと諦めるのでなく、尊厳ある1人の人間として悠太と向き合うと、「悪い事だとわかっていたけれどバレなければいいと思った」という考え方や行為を「悪いことだとわかったからやらない」に変革させることができるんですね。
過ちは誰にでもあります。私にもたくさんあります。
大切のなのはその後の行動だと思います。
- 悪いことをしたら謝る。
- 反省したら行動を改める。
- 次は同じ過ちをおかさない。
悠太を叱るからには、私自身が少しでも見本になる生き方をしようと身が引き締まる思いです。
悠太は今、昨年のお正月に約束を破って迷惑をかけたことを謝罪し、生き方を改善する努力を続けています。
- 嘘をつかない。
- ズルをしない。
- 約束を守る。
- 礼儀をわきまえる。
- 親切にしてもらったら感謝する。
今では「人としてあたりまえのことを、あたりまえにすることが大切だよね」という話を親子でできるようになりました。
息子とこんな親子関係を築けるようになった事がとても嬉しくて幸せです。
昔の私と同じ悩みを抱えるあなたが良好な親子関係を築けますように
鈴木真理子