抵当権の抹消
相続手続きをする遺産の中に、古い抵当権が残ったままになっている不動産がありました。
債務の返済が終わっても、自分で抹消の手続きをしない限り、登記簿上は抵当権は消えないのです。
ところが、抵当権を抹消しなくても、通常はあまり不都合はないため、そのまま放置してしまっているケースがあります。
ただ、その不動産に新たに抵当権を設定するとか、不動産を売却するといった場面では、支障が出てきます。
そこで、この際だから抵当権の抹消もしましょうということになりました。
債務を完済した際には、債権者である金融機関から抵当権を抹消するための書類が交付されたはずです。
しかし、今回はこの書類を紛失してしまっていたため、再発行をお願いする必要がありました。
ところが、この抵当権、設定日が昭和41年であり、今から46年も前のことです。
住宅ローンなら35年くらい普通ですが、今回のケースでは金額も少ないので、わりと早く完済したと思われます。
そこで、まだ書類が残っているのだろうかと、不安になりながらも銀行に問い合わせしてみると・・・
ありました!
こんな古い契約でも、ちゃんと書類を保存してあるものなのですね。
そして、もうひとつの抵当権は、さらに古くて昭和32年のもの。実に今から55年も前です。
こちらも別の銀行に問い合わせてみると・・・
やっぱりありました!
銀行って、すごいなと感心しました。
ただし、その銀行が無くなってしまったら書類もどうなるか分かりませんし、時間が経てばそれだけ手続きも複雑になりますから、返済が終わったらすぐに抵当権抹消の手続きをすることをお勧めします。