相続人が先に死亡した場合の遺言の効力 | 行列のできる行政書士 鈴川法務事務所 in 広島市

相続人が先に死亡した場合の遺言の効力


親が子供に全財産を相続させるという遺言を書いたところ、その子供が親より先に亡くなってしまった場合、遺言の効力はどうなるでしょうか。



子供に先立たれることほど悲しいことはないですが、実際にはよくあるケースなのです。



この場合、結論としては、「遺言の効力は失われる」ということになります。



つまり、その子供の子供(親から見れば孫)に遺言の効力が生じて、遺言内容どおりの財産を取得できる(代襲相続)ということにはならないのです。



この問題に関しては、先日最高裁の判決が出たので、ニュース等でお読みになった方もいらっしゃると思います。



ということは、せっかく遺言を書いたとしても、相続人が先に亡くなってしまったら、遺言は無効となり、相続人は遺産分割協議をしなければならないということになるのです。



そこで、このような事態に対処するため、遺言を書く際には、「子供が先に亡くなった場合は孫に相続させる」というように、「予備的遺言」を記載しておくという方法があります。



これに対しては、「子供が先に亡くなった時点で再度遺言を書き直せばよいではないか」と思われるかもしれません。



しかし、それだと遺言を2回書くことになり費用も手間も2度かかってしまいます。



また、子供が亡くなった時点で、親が認知症等で遺言を書けなくなっている恐れもあります。



遺言内容を確実に実現させたいなら、予備的遺言を利用するべきでしょう。