専門家に依頼する意味とは
先週末、私は親戚の法事のために福山に行っておりました。
49日の法要を終えると、そろそろ遺産をどうしようかという話が具体的になってきます。
私は相続手続には関与しておらず、相続人が自分で手続をしているのですが、お話を聞くと、やはりいろいろと手続が面倒で、大変な思いをされているようです。
銀行の預金を引き出すだけでも、戸籍謄本に少しでも漏れがあったらダメですから、お役所仕事のような歯がゆさを感じるものです。
そんな話をしているとき、ポロっとこんな愚痴をこぼされました。
「浩史君(私の名前です)だったら慣れているから簡単だろうけど・・・」
確かに日頃から相続手続を専門家として取り扱っている関係上、戸籍の取り方や書類の書き方などは慣れています。
でも、本当のことを言うと、専門家だから簡単ということはなくて、「専門家がやっても、面倒で大変」なんですよ。
誰がやっても面倒で大変な手続を、誰がやるのか。
相続手続に限らず、会社を設立するのでも、許認可の申請をするのでも、本を買ってきたり、役所に問い合わせるなどして頑張れば、自分でももちろんできます。
でも、その手間を省くために専門家に依頼するわけですね。
別の言い方をすれば、お金を払って時間を買うということです。
もちろん、法律的な知識や経験、ノウハウが必要になりますから、専門家に依頼した方が自分で手続するよりも早く、しかも自分にとって有利な結果になる可能性が高いです。
でも、我々の仕事の本質は、報酬をいただいて面倒な手続を代行するということなのです。
ご自分で手続にチャレンジしてみるのは大いに結構だと思いますが、面倒だと思われたら、専門家に依頼することも検討してみてください。
それによって、ご自分はもっと別のことに時間を有効活用することができるわけですからね。