相続財産を減らす
相続税の対象となる方が増えるため、相続対策が重要ですよ、という話をしました。
相続税の負担を軽減するためには、まず「相続財産を減らす」のが効果的です。
そのための一番簡単な方法が、財産を贈与してしまうというものです。
ただし、一度に多額の財産を贈与すると、相続税よりも税率が高い贈与税という税金がかかってしまいます。
こうしておかないと、誰でも生前に財産を贈与してしまって、相続税制度が成り立たなくなるからです。
贈与税を回避するためには、贈与税の基礎控除を利用するのです。
つまり、贈与を受ける人一人当たり年間１１０万円までの贈与には贈与税が掛からないため、この範囲内で毎年財産を贈与していけば、長い目で見れば相続財産を大きく減らすことができるのです。
たとえば、３人の相続人に１１０万円ずつ１０年間にわたって贈与していった場合、３３００万円も相続財産を減らせたことになります。
ただし、この方法は、注意しないと税務署に認めてもらえない恐れがあります。
そこで、
① 贈与契約の証拠を残すため、家族であっても「贈与契約書」を作成する
② 贈与した証拠を残すため、銀行で送金した記録を残しておく
③ 長期間にわたって贈与を繰り返す場合、初めから全額を贈与する意図だったと言われないように、送金日や金額をバラバラにする
などの対策が必要になります。
単純ですが、奥が深い方法ですね。