今日は、物理、化学的処理についてお話しします。

難しい書き方してるけど、要するに、

① 水に溶けてる有害物質を、薬を使って溶けないないようにします。

② ①と水に溶けないいらない物を薬品などで固めて、大きなゴミにして、水の中から取り除きます。

そういうシステムです。


水に溶けてる有害物質って言うと、具体的には、

カドミウム、水銀、銅、鉛といった、重金属類。

あとは、水に含まれている細かいゴミ

水に溶けないけど、水に混ざってたら駄目な物質は、油類

です。


重金属などの金属類は、PHをアルカリ側(リトマス試験紙だと青色側)にすることで水酸化化合物(鉄で言うと赤さびの状態)になって、水に溶けなくなります。

(実際の処理では金属の種類によって溶けなくなるPHの範囲が変わるので、工夫が必要です)

溶けなくなった重金属の粒は泥水のように濁っています。

重金属の粒は小さいため、なかなか沈みません。

ここで、高分子凝集剤という薬品を入れ、重金属の粒を集めます。

すると重金属の粒が固まって、早く沈みます。

粒が沈んだ後の上澄液は、重金属を含んでいませんのでそれを捨てることができます。

この方法を、凝集沈殿処理といいます。


油は、ふつう水に溶けません。そして、水より比重が軽いので浮いてしまいます。

そこで分離しやすい油は水槽にためておいて、浮かんできた油をくみ分けます。これが油水分離法です。

車屋さん、ガソリンスタンドの油はほとんどこれで処理してます。


でも、たとえば、マヨネーズを作る工場の機械毎日洗うので、その機械の洗浄水が工場から出てきます。

マヨネーズはわざわざ酢と油が分離しないように混ぜています。それが水に混じったら油とは完全に分離しません。水に混じって乳白色になっている場合もあります。

また、植物系の油はほっておくと腐ってきますので、なるべく早く処理する必要があります。

衛生上の問題もありますしね。

これを処理するには、まず薬品固めるような処理を先ず行います。


ここで、1つ問題。

昔、コーラの缶を振って、プルタブを友達に向けてあけたりしませんでしたか?

ものすごい泡と一緒に、コーラが飛び出てきますよね。

どうしてでしょう。


缶の中では、炭酸ガスが溶け込んでいます。

その缶を振ることでコーラの中のに溶けてた炭酸が分離します。

そして、プルタブをあけて内部を大気圧にもどしてやると、分離した炭酸が勢いよく水中から分離するため、こーらが泡状になって勢いよく缶から飛び出します。


これと同じ理論で、水と油を強制的に空気で分離するんです。

タンクの中に水と空気を送り込んでやり、高圧(0.4~0.5MPa)で維持します。こうして、水の中に空気を溶かします。

この、空気が溶けた水を、油のを含んだ水の中に入れてやります。

こうすると、空気が細かい泡になって、水面に浮かんできます。

ちょうど、クリーム状の泡が出るジャグジーみたいな感じです。

いくらバターのように油が固まっていても、空気よりは重いから、水面に一緒にあがってきて、油と水を分離することができます。

この装置を加圧浮上装置といいます。


あとは、上記の方法で取れない様な細かいゴミを分離するために、

細かい砂を重ねた水槽を通し、ゴミをろ別する、砂ろ過装置があります。


また、染物工場なんかでは、染料が排水で流れてきますが、それは、昨日書いた生物処理とか、

今日の凝集沈殿、加圧浮上装置で多くの部分は処理しますが、完全に取れません。

そういうときには、活性炭を詰めたタンクの中を等し、色素を吸着させます。


活性炭は、冷蔵庫のにおい取り意外にも、いろんな事ができるんですよ。


あと、みなさんも、酸性、アルカリ性、中性といった言葉は聞いたことあると思いますが、

やはり、工場から排出する水は中性でないと、草や木を枯らしたり、魚が死んだり生き物に影響を与えます。

だから、PH調整装置で必ずPHが中性の状態で捨てます。


他にも、膜で分離したり、樹脂で有害物質をひっつけル方法など、他にもいろいろありますが、

基本的な物は、上の凝集沈殿、加圧浮上、砂ろ過、活性炭吸着、PH調整の組み合わせです。


だいぶ長くなってしまいました。

読んでくれてありがとう。


明日からは、具体的に、同な所ではどういう事をやっているかなんてことを書いてみます。

もうちょっと短めにしますね。