私は主に工場に納める装置を取り扱っていますので、

今日は、工場ではどんな水を使っており、どんな装置を使っているかを説明します。


工場で使う水これは、水源別に分けると

大きく分けて、淡水と海水があります。


淡水には

① 水道水(市水という場合もあります)

② 工業用水(工水という場合もあります)

③ 井戸水

等のような種類別があります。


平成15年度の使用実績を見ると、

            全国    愛知県   岐阜県   三重県

水道水      2,054,184    158,187 47,584 51,863

工業用水 12,314,130 974,691 42,237 488,898

井戸水 7,874,427 362,066 590,994 152,601

                              (立方メートル/日)

使っています。

そのほか、河川水などを使っている工場もあります。


工場では、この水道水、工業用水、井戸水をそのまま使う場合もありますが、

ほとんどは、用途によっていろいろな水処理装置を使って水質を改良し、使っています。


たとえば、

井戸水、工業用水を、工場で使うには、水道水規格と同じ基準にしてほしいとの依頼がよくあります。

このとき、除去項目としてよくあげられる項目として、

・懸濁物質

・鉄

・マンガン

・有機物

があります。これを除去する装置として、

除鉄除マンガン装置、砂ろ過装置、活性炭吸着塔、MF装置、UF装置等があります。

水道水は殺菌のため遊離塩素を含んでいるため、薬品注入装置を用いて遊離塩素を注入します。

しかし用途によっては、薬品の注入が製品に悪影響を及ぼす場合もあります。そんな工場では一度添加した遊離塩素を再び除去して供給するといったシステムもあります。


発電施設や、工場での空調等では蒸気を使いますが、蒸気を作る

ボイラーに給水するのは、ミネラル分を抜いた水である、純水(超純水)を使います。

純水の作成方法は、有機物、懸濁物質を取り除いた、水道水レベルのをイオン交換装置、

RO(逆浸透膜)装置通すことで、ミネラル分を除去して作ります。


また、環境問題が叫ばれる今、

工場で一度使った水を上記のような装置を使って、再利用できる程度にきれいにし、再び工場で水をリサイクルし、工場から排水を出さないといった使い方も検討されています。


海水は、塩(塩化ナトリウム)が約3%含まれていて、これが鉄やステンレスに錆を発生させるため、

工場では非常に使いにくい水です。


しかし、

            全国    愛知県   岐阜県   三重県

海水       43,145,776   3,271,825 - 971,616

                              (立方メートル/日)


こんなに使っているんですね。調べてみるまで、こんなに使っているとは知らなかった。

改めてびっくりです。

それと、あれ?っと思ったけど、

やっぱり岐阜は海がないから海水は使えないんですね。  納得!


大規模の工場(鉄鋼業や化学工業)では、これを冷却水として利用しています。

しかし、中国地方、四国、九州等では、夏は慢性的な水不足で困っています。そういった所では、

海水や河口付近で海水と河川水の混ざったかん水(ミネラル分0.5%程度)を原料として、

RO装置を使って工業用水レベルの水を作り、使用しているところもあります。


簡単に、工場内で使う水を作る装置の一例を説明いたしました。

お客様によって、水源とする水の水質や、使用を希望している水質条件は異なります。

だから、上記のような装置を組み合わせ、お客さんの希望に添った水質を作ります。


有限会社 スズテック