黒木・・拓真か・・。



夕焼けに染まるアスファルトをみつめながら帰っているふと考えてしまう。





"殺人”とゆうキーワードが頭から離れない。











もし、この人が私を殺してくれたら・・なんて。






怖くて頼めないけど。


















家に着くと、めずらしくあかりがついていた。




いつもは、ちちは運送会社の残業、お母さんはあさまで遊んでかえってこないのに・・。







おそるおそる家に入ると、お母さんとお父さんがテーブルで向き合っていた。




何かしゃべっているようだ。


でも、いつもの喧嘩とは違う。






なんだろう・・?





2人は私にきずいてなかったみたいで、私はこっそり部屋に戻り話を聞いていた。
















するといきなり、













ガシャーーーーーーーーーーン!!!










という音とともに、お母さんの怒鳴り声が聞こえた。




「ふざけんじゃないわよっ




 クビ?!


 なにやってるのよっ




 いい加減にしてよっ  私にこれ以上ストレスをあたえないで!」





「悪いとは思ってるよ・・



 でも君だって僕の貯金で散々遊んできたじゃないか。」



めずらしくお父さんが反抗した。





「はっ?!

 クビになったのは私のせいだって言うの?!


 よくまぁその口がいえたものねっ!」






お母さんは近くにあったはさみを取り出し、勢いよくお父さんの顔めがけて投げつけた。





「・・っ!」



はさみはお父さんの眉間に直撃し、お父さんはたおれこんでしまった。







お父さんっ!!・・・








床は血だらけになり、カーペットが赤く染まる。




お父さんは息を吸うのに精一杯の状態だ。










「あんたもあの子も、きっと私に殺される運命なのよ。

 あんたがあの日イギリス女とうらぎった時から。


 あの子もあんたが死ねば、私もおもちゃでしかなくなるんだし、焼こうが、煮ようがすきにできるわよね。




 ふふっ


 楽しみだわ。



 あーはははははははははははは!!」










あの子というのはきっと私のことだ。




殺されるっ・・!





私は急いで逃げ出そうと走った。






お母さんは私にきずいてない。







お父さんは私にきずき、最後の力を振り絞ってわたしに合図を送ってくれた。










最後までお父さんは私の見方をしてくれた。








「お父さん・・さよなら。





 ありがとう・・・。







 大好き。」















私はそういい残し、急いで家を飛び出した。













走って走って、走って逃げた。







お母さんに殺されない、うんと遠いところへ。









朝、学校につくとクラスの女子がたかっていた。




何だろう・・?



近ずいて見てみると、中心に立つ一人のギャルが

ケータイの画面をみんなに見せながらこういった。







「そう・・。このサイト[iすくりーむ]こそが、"黒木 拓真”がいる出会い系サイト。

ここで出会った女の人は必ず殺されるんだ・・・


みんな気をつけなよ?  この情報はマジだから・・・。」





「えー・・怖ー」



「何人くらい殺されてるの?」




「20人は軽いな・・」







20?!





警察沙汰にはならないのか・・?



私はたかりのはしのほうで画面を見つめる。




「でもさーっかっこいいよねっ♪!画像でみるにはっ!」

一人の女子が言う。




たしかに・・どこぞのチンピラよりかは、顔はずばぬけてかっこいい。



でも



「あんたもしかして、殺されたいの?」






そ、そうだよ・・・殺人者をカッコイイと言うのはちょっと・・・・。




すこし身が引けた。










「何でお前が生きているんだ。」








いつも言われるこの台詞。






16年生きてきた中でなんかい言われただろう。












私、鈴森美恋の両親はいつも喧嘩してばかり。





その原因は私なんだ。





私が生まれたから。
















私はお父さんとその浮気相手との間に出来た子ども。




浮気相手はイギリス人で、私はハーフ。








青い瞳に、金髪。








その浮気相手は、私を生んですぐに死んじゃったけど、




お母さんは私が大嫌いだ。







「美恋」と呼んでくれたこともない。





私も、怖くて「お母さん」なんて呼べない。



















そして、いつも両親は喧嘩している。























「何であの子が家にいるのよ!」






「しょうがないだろ。あいつはうまれてすぐに本当の母親がしんじまったんだから。」





「しんだんだったら私たちは関係ないじゃない。

 あんな子捨ててきてよ!




 私あの子のこと嫌いなの。




 生きてる意味がわからない。



 本当の母親と一緒に死ねばよかったのに!」










喧嘩してるたんびに言う。






そんなこと言われたって私はどうすることも出ないんだよ。




私だって、生まれてきたかったわけじゃないんだ。












どうせ生まれるんだったら、お母さんたちみたいな家庭には生まれたくなかったよ。














でも、そんなこといえない。





ここまで育ててくれたんだし、





言ったところでお母さんにぶたれるだけだ。












ああ・・・







もう死にたいよ。

















何回思ったことだろう・・。










お母さんにぶたれるたんびに、





両親が喧嘩するたんびにそう思う。











「何でお前が生きてるんだよ。」


















なんで私生きてるんだろう・・・









何で死なないんだろう・・・

















きっと助けが来ると信じているから・・?




きっと「お母さん」と呼べる日が来ると信じているから・・?















毎日考えてるけど・・








わからない・・・。