オペラ座の怪人 2024, 7, 25
今日の席はチケット発売日に確保していた下手ブロック前方。しかし今日座ってみて、やはり私は多少後ろでもセンターブロックの観劇が好きだなと感じました。俳優さんの背中をずっと観ているのは、やはり寂しい。でも舞台下手に立つ俳優さんのお顔をじっくり拝見できるという楽しさもありました。プリマドンナで増田守人さんアンドレさん、佐藤圭一さんフィルマンさん、辻奈々さんカルロッタの表情や変化がとても楽しくておかしかったです。またいろいろな場面で今まで聴き取れなかった歌詞が聴き取れてうれしかったです。今日の岩城ファントムは素晴らしかった。過去の岩城ファントムは、ラスト近くの演技が失礼ながらベタだなと感じることがあったのだけれど、今日のラストの地下室はこちらも思わず涙しました。クリスティーヌがラウルに引っ張られるように去った後、あの猿のオルゴールにあわせマスカレードと力なく口ずさみ、クリスが指輪を返しに戻った時彼女に言った「クリスティーヌ、アイラ〜ヴユ〜♪」今日のそれは私が今までたくさん聴いてきた「アイラヴユ〜♪」の中でも一番と言ってもいいくらい悲しい「アイラヴユ〜」でした。舞台は生ものってこういうことをいうのでしょうね。俳優さんのその時の気持ち、声、そしてその時の私の感性がピタッとあってはじめて心に迫る、そんな貴重な一瞬だったような気がします。その後岩城ファントムは指輪に強くキスをして、ヴェールに顔を埋めてウッと泣き、静かにヴェールを置いて椅子に戻り去っていきました。今日の私はラストで涙があふれ、でもカーテンコールは力いっぱい拍手したいので涙をふくわけにもいかず、さぞみっともない顔だったことでしょう。下手ブロックだったのでカーテンコールでは目の前にメグジリー松尾優さんのとびきりの笑顔や、佐藤圭一さんのうれしそうな、満足しておられるようなお顔を拝見して、私の拍手でそんなに喜んでいただけるのならと、とにかく思い切り力いっぱい拍手拍手をした本日のオペラ座でした。私のオペラ座観劇も残すはあと1回、最終週のみ。オペラ座が終わるさびしさはもちろんあるけれど、でも今回の横浜公演は私も自分ができる範囲でたくさん通ったので、満足感があります。来週ファントムとクリスはキャストチェンジするかもしれないと思うけれど、私は誰がきてもオーケー最終週の熱狂的な観客席も楽しみです。また今日の墓場の三重唱。すごくよかったです。宇都宮千織さんの歌声は大好きなのですが、ラウルの歌詞もしっかり聴こえ、ラウルの不安な気持ちが伝わってきました。とにかく声が若くて明るく力強い。少なくともあと10年はラウルをやって私たちファンを楽しませてほしいです。そしてゆくゆくは佐野さんのようにファントムもできるのでは?と思うけれど、劇団四季には「退団!」というファンを奈落の底へ落とす落とし穴があるからね。とりあえずあまり先のことは考えず、現在の舞台を楽しませてもらうことにします。カーテンコールでバレリーナやアンサンブルの女性が、みなさん美人で小顔の方ばかりでうっとりしました。