休みの合わない二人
旗日が休みの僕と休みが合った
初の昼デート
葛西臨海公園に行った
遊びをあまり知らない俺の立てた計画
彼女の好き嫌いは関係なく苦肉の策だった
まぁ、それなりに楽しんでくれたかもしれない
ただその後がまずかった
水族館を出て海辺に座っていると雨
ザッっと来るのを警戒し車に戻った
予定では
海辺で語るはずだった・・・
後の計画が無い・・・
葛西から彼女の家までは下道で帰る
計画が無い俺にとってはせめてもの救い
ただ
海辺でちょいスキンシップを望んでいた俺にとって物足りない
頭の中で「この後」をいろいろ模索する
で僕が出した結論
この一言は「冒険」だった
彼女のトラウマを呼び起こす
かなりやばい「もろ刃の剣」
「一緒に寝てみない?・・・」言ってしまった
「嫌だ」の一言で斬られた
その言葉のショックよりもその後の言葉が効いた
「やっぱりそうじゃん」「いちは違うかなぁと思ったのに・・・」
彼女のやっぱりは「要はしたいんでしょそれなんでしょ」を意味する
かなりのパンチ力だった
正直、本心はそんなに寝たいわけじゃなかった
ベタベタするにはラブホが手っ取り早い
確実に言葉を間違えた
言い訳の言葉すら浮かばない
やっとの思いで彼女から引き出した「俺を好き」という思いが崩れる
「終わった・・・」そう思った
しばらく沈黙が続き、彼女が口を開いた
「大丈夫だよ、好きって気持ちがこんぐらい減っただけだから」
と手で表現した
人差し指と親指の間の1ミリくらいの間隔
「元がわかんないじゃん・・・」の俺の言葉に
彼女は笑ってた
いつもの待ち合わせ場所にもどった車の中
顔を見合す、そんな事を繰り返す
「ここにいてもしょうがないじゃん、ご飯食べにいこ」
僕は車を出す
マンマパスタに入った
僕の頭の中は「最後の飯かな」・・・
彼女は変わらない
食事を終え店をでる
二人はいつもそう、食事が終われば席を立つ
店を出ると彼女は言った
小さな小声で一言「家、来る?」
僕は耳を疑う反面即答していた「うん」
ただ状況がつかめない
頭の中は?????
それでも女の子の部屋に上がるなんて7年ぶりくらいか・・・
ドキドキ胸は高鳴る
僕は冷静を装い彼女の部屋に入った
良い匂いがする、女の子の匂い
1Kのアパート部屋は広くない
でも綺麗にまとまった部屋
ベットにもたれ床に座る
彼女はスカートからショートパンツに穿き替えた
それも僕の目の前で・・・
目のやり場に困った
彼女は俺の横に座った
僕は彼女の肩を抱き寄せた
彼女はなすがまま・・・
初めてディープなキス
お互い」何度もキスを繰り返した
僕は9時からバイトだった、彼女は休み
彼女に勧められベットに横になる
俺の前に座る彼女をベットに引き上げた
彼女は俺にキスをして腕に頭を置いた
普通ならこの状況、先があるのかもしれない
でもそんな気にはならなかった
俺は彼女を抱きしめいつの間にかうたた寝してた
彼女に起こされ言われた「寝てたね」
「寝てない」俺は答えた
「いびきかいて寝てたっ!」
こんなやり取りが楽しく嬉しい
俺は後ろ髪引かれながら部屋を出た
彼女は車まで送りに出てきた
今日までアパートさえ教えなかった彼女
彼女がなんで部屋に招き入れたのか
なんか解るような解らぬような・・・
今日の俺は彼女に救われた
バイト中に彼女からマールが来てた
その一部
「気にしないで
大人だもん、充分ありえることだよ」
きっと二人はいずれ自然に
それまで軽はずみな言葉と行動は慎もう・・・
そう思った
もう一つ意外な事実が・・・
彼女は韓国と日本のハーフだった・・・