どうも皆さんお久しぶりです。
土露団子です。
いやー、それにしてもここ最近暑いですね。
夏コミが終わってからというもの、相変わらずむせ返るような暑い日ばかりが続いている気がします。
暑いだけならまだ良いのですが、今年も暴風が吹き曝したり雹が降り注いだりと、相も変わらずな異常天候続きです。
一方の僕はと言えばこちらも相も変わらず、あとがきを遅く遅くずるずると引き延ばしながら書き続けております。
この遅筆っぷりにいよいよ皆さん慣れてきた頃合いかと思いますが、それでも首を長くして待っていらした方は本当にごめんなさい。
大変長らくお待たせしました。毎回恒例のあとがきコーナーです。
ところで前回の例大祭においてはスケジュールが完全に破綻して死にかけたこともあり、「次こんなことをしたら今度こそ絶対に倒れる……!余裕を持って取り組まねば……!!」と固く心に誓ったはずでしたが、案の定と言いましょうか、やっぱり駄目でした。
至極当たり前の話ですが、肝心の休日が夏コミまで1日も存在しなければそうなるのは必定というものでして、自分のスケジュール帳を見開いた時、我ながらそのアホっぷりに呆れかえったことをつい昨日のことのように思い出します。
自分でも何を言っているのか全くもって意味不明ですが、8月の頭に過労で倒れて自宅療養送りになっていなければ、間違いなく新刊を落としておりました。
(もっとも、その代償として自宅療養中にここぞとばかりにノンストップで原稿を書き続けたせいで、後日その自宅で倒れるという本末転倒な事態にはなりましたが)
結果的には、あの時過労で倒れて良かった……のかな?
いや、良くないですよね。絶対に駄目です。
少なくとも僕の健康面は当然のこと金銭面、特にスロットで印刷代を溶かすのならまだしも、医療費で印刷代を溶かすのは非常に不健全極まりない行為です。
まずは健康で文化的な最低限度の、時間的にゆとりある生活を築き上げる必要がありそうです。
閑話休題
さて、今回の夏コミでも沢山の参加者さんのお手に取ってもらうことができて本当に嬉しい限りです。
初めての誕生日席、それもコミケという大舞台でなかなかにハイプレッシャーな中でのサークル参加でしたが、思っていた以上に楽しむことができました。
とにかく人の往来がとても激しくて、こう、水族館の大水槽内を見ているような、そんな気分でした。
島中と違って次から次と途切れることなくひっきりなしに色々な人が通りかかるので、何を見るでもなく、ただ椅子に座っているだけでも全く飽きません。一種のアトラクションです、あれは。
なんだか少し、得した気分です。
既にご存知の方も多いと思いますが、今回の夏コミではすずだんごとしては別に、さい(@saigyojiyu)さんが主催するゲームサークル「ひまわり鎮痛剤」にて、ゆかれいむのアクションパズルゲーム「紫と霊夢の終わらない夏」のシナリオ担当として参加しておりました。(特設サイト→http://yukareimu.sai-chan.com/)
以前、僕とすずの二人で作った艦これ本「雪のち雷」でのご縁から、今回こうしてお声をかけていただいた次第です。
人生、何が起こるか分からないものですね、ほんと。
こちらの作品についてのネタバレは避けますが、とにかくタイトル名からゲーム演出にいたるまで事細かに主催者へ無理難題の指示を行う程度には気合いを入れまくって書き上げた作品ですので、ぜひ実際にプレイして楽しんでもらえれば幸いです。
パズルゲーム自体もめっちゃ頭使うので(※あくまでも個人の話です)、すごくやりごたえがあると思います。
シノバさんのイラストや敷き紙さんの音楽も付く、ものっそい豪華な仕様です。
因みにですが、すずだんごの新刊『La Niña Pasa』のDL版も、先日からしれっと販売が始まっております。
(http://www.melonbooks.com/index.php?main_page=product_info&products_id=IT0000197191)
こうした委託での電子書籍化は、これが初となります。
紙媒体より少しだけ価格抑えめですので、もしまだ手に取っていない方、ならびにタブレットやスマホ等で読みたい方はこちらをぜひ使ってみてください。
特典の音楽もしっかりと付きます。
さてさて、いつもの宣伝タイムも終えたところで、今回もつらつらと新刊あとがきを書いていこうと思います。
まだ本作をお読みになっていない方はブラウザバックを、既に読み終えて大丈夫な方はこのまま下スクロールでお進みください。
では、改めまして今作『La Niña Pasa』をお手に取ってくださり、ありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
今作のタイトル『La Niña Pasa』は、アンデスの代表的なフォルクローレ楽曲『El Cóndor Pasa(コンドルは飛んでいく)』をもじらせたもので、「少女は飛んでいく」という意味です。
(※「Niña」はスペイン語で「女の子」)
この「ñ」という文字が非常にやっかいな存在でして、当然ながら日本ではこの文字はそう対応しておらず、印刷所さんに入稿する際には至る所で文字化けが連発し、委託書店さんに至ってはタイトルの変更を余儀なくされる事態(実際に見ていただけると分かります→https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=276530)に陥りと、
こんな面倒なタイトルをつけなければ良かったと今更ながら後悔しています。
この『El Cóndor Pasa』という曲についてですが、この曲は今からおよそ100年ほど前にDaniel Alomía Roblesというサルスエラ作曲者によって作られた曲で、3部によって構成されています。
実際にその曲を聴けば分かるかと思いますが、簡単に説明しますと、1部は少し哀しい旋律、2部は行進曲調のリズム、そして3部は華やかな舞曲というのが、この曲の主な構成です。
(後に『El Cóndor Pasa』という楽曲を世界中に知らしめることとなったSimon & Garfunkelが歌った『El Cóndor Pasa』は、その3部構成の内の1部のみを引用したものになります)
ここまで読んだ方はもう気づかれたかと思いますが、その原曲にちなんで本作もまた、1部(神社前の少し哀しげな霊夢)、2部(山へとガシガシ進む魔理沙)、3部(霊夢と魔理沙の激しい戦闘)の3部形式で話が展開されます。
(加えて、ジャージとゆかいな仲間たちさんの音楽も、霊夢と魔理沙のテーマソングに加えて『El Cóndor Pasa』のメロディが多数踏襲されております)
まさにコンドルだらけコンドル祭りというのが、今作なのです。
そしてもう1つ。
今作においてどうしても欠かすことのできないものが、この作品のテーマでもある「自由」についてです。
詳しい話はここでは割愛しますが、いわゆるアンデスと呼ばれる地域に住む人達にとって、フォルクローレは自民族のアイデンティティの発露でもあります。
(この辺りについては彼らの歴史、特にスペインによる侵略が大きく関係してきます。詳しくは【石橋純著(2010)『中南米の音楽-歌・踊り・祝宴を生きる人々-』東京堂出版】・【網野徹哉著(2008)『興亡の世界史12 インカとスペイン 帝国の交錯』講談社】・【カルメン・ベルナン著(1991)『インカ帝国-太陽と黄金の民族-』(阪田由美子訳)創元社】などが参考になるかと思います。また病原菌まわりの話については【ジャレド・ダイアモンド著(2000)『銃・病原菌・鉄 上下』(倉骨彰訳)草思社】が非常に分かりやすくまとまっていて良いかと思います)
そしてそれは幻想郷に住む彼女たちも同じように、彼女たちにとって「飛ぶ」という行為もまた、彼女らが幻想少女たらしめる象徴でもあります。
“フォルクローレ”も“飛ぶ”ことも、どちらも根っこは“自由”というテーマで繋がっているよね!ねっ!?というのが今作だったりする訳ですが、どうでしょう、うまーく伝えることができてれば良いのですが……。
兎にも角にも絵と文と音楽で、アンデス風味のレイマリをどっぷりと楽しんでいただければ幸いです。
今回はかなり歴史的な要素を入れはしましたが、基本エンタメ指向で書き上げた作品ですので、Twitterでも触れた通りにポテチでも頬張りながら気楽に読んでもらえればなぁーと思っております。
ちなみに書いといてなんですが、僕は一度もナスカの地上絵もマチュ・ピチュへも行ったことがありません。
売り子兼経理担当のミナミになんとかロケ代として経費で落とせないものかとせがんではみたものの流石に無理だったようで(それ以前にスケジュール的に行ける訳もなく)、昔行ったことがある友人から聞いた話や地球の歩き方やるるぶを繰り返し読み込みながら、さも行ってきたような気分で脳内補完しながら書いておりました。
死ぬまでに一度は行ってみたいんですよね、あそこ……。
もっとも、今一番に行きたいのは言うまでもなく幻想郷だったりするので、早く科学世紀を迎えてお墓をぐるぐると回して異世界転生したいです。
では、そろそろお時間も良い頃加減だと思いますので、今回はこのあたりで締めようかと思います。
今回は年明けから、ジャージさんの全面協力のもとでようやく形にすることが出来ました。
この場をお借りして深く感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
ところで次回のサークル参加予定についてですが、ごめんなさい、現在全く見通しが立っておりません。
というのも、僕の方の生活が日に日に忙しさを増し始め、残念ながらこちらの活動にまで手が回らないというのが現状です。
(少なくとも、来年の夏までは『すずだんご』としてのサークル参加は厳しい状況です。)
それでも現在、冬に向けてとある音楽サークルさんと絶賛合作中ですので、サークルとしての参加はなくても、何かしらの形で冬コミ時には参加していると思います。
まだ確定ではありませんが、来年の例大祭合わせの依頼もいただいていたりするので、その時も恐らく同じような形でひょっこりと携わっているかと思います。
本人としてはまだまだ書きたいこと、やりたいことが沢山ありますので、なんとかして再びすずだんごとしてのサークル活動ができるよう、精一杯努めていく所存です。
それでは、また逢う日まで。