物理的な必需品のことを書いても面白くない
なんせ、便利なだけだ
中学の修学旅行に出かけた時
私は なぜかしら三脚を持って行った
親父の三脚はコンパクトで
それがかっこよくて何となく
修学旅行は山口県の萩だった
秋芳洞など回った記憶がある
いい景色だ
ふと写真が撮りたくなった
そういえば三脚があった
おもむろにカメラを取り付けて
三脚を立てて
ポーズをとる
すると うつりたがりの奴が
横に並んできた
誰かも知らない奴(笑)
カシャ!
そいつと初めて話した
話すとただの目立ちではなく
面白いやつだった
旅行は続き
またいい景色のところで
こっそり三脚をたてた
ひとりで写りたいのだ
ピースをしてにっこり笑っていたら
「あー!」と叫びながら奴が走ってきて スライディングで
割り込んできた
何すんねん(笑)
でもいい写真が撮れた
それからというもの
1人で写真を撮ることをあきらめて
いい景色のところにくれば
高らかに三脚を掲げてから
組み立てた
だんだん 一緒に移る人が増えてくる
最後にはものすごい人数になった
ただ、私の人気が少し上がるだけで
そのまま時は流れた
高校の時の修学旅行
そんな事は私はすっかり忘れて 三脚をもってきた
九州縦断だった
いい景色満載
今のスマホの様に 自撮りはできない
映りたかったら 誰かに取ってもらうしかないが
そんな面倒なことは私にはできなかった
というより、私には三脚がある(笑)
おもむろに三脚をたてて
相棒のコンパクトカメラ
オリンパスのXA1 を載せた
オートタイマーの電子音を響かせながら
シャッターが切れる
いい景色をバックに 一人ポーズをとる高校生なかなかシュールだ
うっすらわかってくる
ここでコミュニケーションモンスターは
「サー記念写真とるぞー!」とかいう
そしてそれが 正解だ
そして もう一つのこともわかってくる
そんなセリフは スターしか言ってはいけない
なんでもそうだ
この指とまれ!というのは
カリスマ性などを備えた信頼感が伴わないといけない
私のような弱い人間は人に信頼を与えるほど
エラそうな態度も
力もない
ただいい景色で写真を撮りたいとは思うので
三脚を立てる
すると、人が集まる
回数を重ねると
だんだん顧客ができている
いい景色のところにいくと
撮るんだろ?
と言ってくれる
うん!
電子音がピーピーと三回なるとカシャっと切れる
それに合わせて みんな集まる
三脚なんかいらないスターもいる
そもそも、人が撮りたくなる人もいる
いや
そうではない
私は切り取りたいのだ
その瞬間を
三脚がないと人は集まらないけど
電子音がならないと走ってこないけど
そんな人たちと いつも笑顔で集まれたら
それ以上 何を望もうか
私は いつも心に三脚を持っている
いい景色があれば
いつでも写真が撮れるように
