傘をさして狭い歩道を歩いているとき、向こうからくる人とどうすれ違うかつい考えてしまう。
まったく避けない人もいれば、避けながら嫌な顔をする人もいるのは何なんだろう。
たまに丁寧に立ち止まってから、完全にどいてくれる人もいたけどかえって恐縮してしまう。
お互いに少しだけ傘を傾ければ、なんでもないことなのに。それこそお互い様だ。
でもそういう人は、なかなかいない。

こんどは傘をさしてスマホを見る女性が向こうから歩いてきた。
これはこちらが完全にどいてあげないとダメかな・・・
すると近づいてきた女性の傘が偶然かどうか分からないがスッとかたむいた。
「ん?」こちらもそれにスッと合わせた。
その間(ま)が何とも心地よかったからちょっとふり返ってみた。
その女性もこちらを見ていたが、あの目は何を言いたかったのか。

これが凄腕の剣客どうしだと「なかなかやるじゃねえか」「お前もな」というセリフだろう。
あのときはソフトクリームを持っていたから、それを見られただけかもしれない。