ムシャクシャしていた。
何に、かは分からない。
気付くとまだ一本残ってるアメスピのパッケージを握りつぶしていた。
何にこんなにムシャクシャしているのだろう。
喫煙室がなかなか見つからなかったせいかもしれない。
さっき明るい所で見たら靴下が右足黒、左足紺だったせいかもしれない。
昨日の合コンが上手く行かなかったせいかもしれないし、近い過去の嫌な思い出がよぎったせいかもしれない。
タバコを一本吸えば
少しは紛れると思った。
白い煙を見て、何処かへ消えていく煙を見て、本当の居場所へ戻ろうとする煙を見て、
俺の居場所なんて何処にもない、と、思う。
親友のシモがそうすると聞いて、小さな広告代理店に入った。
それがムシャクシャしている原因なのだろうか。
本当は教師になりたかった。
サッカー部の顧問になって、名選手を育ててみたかった。
本当は皆に憧れるボランチになりたかった。
本当に?
本当の夢はそれなのか?
「青臭ぇ」
誰もいない喫煙室に響く。壁にゴンゴンぶつかって床に落ちた。
踏み潰してみた。
ガラス扉に俺の姿が映る。何処かから伸びてる紐に操られているような、手足バラバラな動きをする滑稽なマリオネット。
笑えない。
もう何年笑ってないだろう。
愛想笑いだけがどんどん上手くなる。
金と女と権力の匂いを嗅ぎつけるのが上手くなった。
一番匂いがキツイ方へ引き攣った笑いを見せるのだ。
俺が今、一番憎むべきは笑いだ。
シモが「面白い奴がいる」と言った。
まだ本数は少ないが、味のある面白いCMを撮る監督だと。
「見た目からまともじゃないんだ。一度見たら忘れない。肉の塊みたいな奴で、髭モジャなんだ」
楽しそうに話していた。ただの不摂生じゃないか。
「パチンコで稼いだ金で大阪芸大卒業したんだ」
ただのクズじゃないか。相容れない。理解出来ない。俺はそんな奴とは組まない。
「お前となんか合いそうな気がする」
俺はそんな奴とは組まない。
「すみません、煙草一本もらえないですか」
呆けていると喫煙室は俺だけじゃなくなっていた。
「あ、すみません、あるんですけど、さっき握りしめちゃって」
何で俺が謝るんだ。
「どれどれ、見せてください。あー、結構握っちゃいましたね」
目の前の丸い男が目を細めて言う。距離を縮められた気がして焦る。
「それでいいんで。一本くれませんか」
「はあぁっ?!」
自分でも驚く位の大きな声が出た。
「こんなの吸えないですよ、ここなんか、ほとんど千切れてるし」
「それでいいんで。一本くれませんか」
丸い男が肉付きの良い手のひらを見せる。
無言で、強めにぐしゃぐしゃのアメスピを叩きつけた。
パァーンと乾いた音が鳴る。予想以上に力が入ってしまった。
「あ、す、すみません」
何で俺が謝るんだ。
「喫煙室来ると2/3位の割合で煙草もらえるんですよ。これは一本に数えられるのかな」
丸い男がボロボロの一本を楽しそうに眺めながら言う。なんだこいつ。絶対ろくな生き方してきてない。
丸い男は目の前で千切れかけた煙草を完全に二つに分け、フィルターの方を指先で揉んで葉っぱを取り除き、手品師みたいに器用にもう片方を差し込んだ。
「これで一本になりましたね」
丸い男が嬉しそうに笑う。口髭の奥にヤニ色の歯が見えた。
さっき踏み潰した言葉も元に戻してみようか。
いや、何を考えてるんだ、俺は。
「タバコ、美味そうに吸いますね」
狭くて暗い庫内に男が二人座っている。よく見ると一人は魚の恰好(男A)を、もう一人は鶏肉(男B)の恰好をしている。そう、ここは冷蔵庫の中なのだ。
男B 「先輩」
男A 「止めないかね、その言い方は」
男B 「だって、どう見たって先輩じゃないですかぁ」
男A (やや短い沈黙の後、聞き取れるか聞き取れないか位の溜息をつき、自分の体を指差しながら)「これ、干からびてる訳じゃないからね? わざと干して水分抜いてるんだからね? その方が味がぎゅっと凝縮されるんだからね?」
男B 「まぁまぁまぁ、ここの冷蔵庫歴はボクより先輩じゃないですかぁ。で、何年いるんですか? 先輩(ちょっと小馬鹿にしたように)」
男A 「何年もいないよ。3日目だよ。君と二日しか違わないよ」
男B 「またまたぁ」
男A 「何がまたまたぁなんだよ。…君は一人で来たのかい?」
男B 「え? 連れとっす」
男A 「お連れさんはどうしたんだい?」
男B 「冷蔵庫に入る前に調理されたっす」
男A 「(憐れむ目でBを見ながら)じゃあ、俺と仲間だな」
男B 「仲間? 僕は鳥類であなたは魚類ですけど?」
男A 「そういう仲間じゃない。俺も本当は仲間と一緒にこの家にやって来たんだ。お取り寄せグルメの鰺の干物5匹セットとして」
男B 「(何かを察したように)ここん家、4人家族ですもんねー」
男A 「そうなんだ。(寂しそうに)到着したその日に一人一匹ずつ、俺以外の鰺はもう食べられてしまった。(上を向いて)でも奥さんがその内昼飯にでも焼いてくれるだろう」
男B 「奥さん、魚嫌いっすよ」
男A 「ええっ?!」
男B 「子供の手前、無理して食べてるっす」
男A 「そんなの、来たばかりの君が何で知ってるんだ!」
男B 「(料理をしている奥さんの口ぶりを真似て)『残りは何して食べようかなー♪ チキンライス? 照り焼き? タンドリーチキン? 魚食べなくて済むランチは何でも好きなもの食べれるー』って」
男A ガーーンを絵にかいたような顔をする。
男B (何故か嬉しそうに)「僕の相方切り刻みながら言ってましたよ」
男A ショックーを絵にかいたような顔で「何で嬉しそうなんだ」
男B (Aの背中をさすりながら)「まぁまぁ、ご主人が残業で遅くなった時に食べてくれますよ」
男A 「ご主人リストラにあったばかり!」
男B 「酒のつまみにしてくれますよ」
男A 「ご主人酒アレルギー!」
男B (さすっていたAの背中を段々腰の辺りに持っていきながら)「まぁまぁまぁ…痛っ!!」
男A 「俺のゼイゴに気をつけな!」
男B 「ゼイゴって何ですかー」
男A (無言で不敵な笑みを浮かべる)
男B 「あー、嫌だ嫌だ、こんな干からびた生臭いオヤジと一緒に鮮度が落ちるのを待つ日々は嫌だー 奥さーん! 早く僕を調理してー! カオマンガイが良いー!」
男A 「このパーシャル室にいる限り鮮度や美味しさは保てるよ」
男B 「(ちょっとわざとらしい感じで)パーシャル?」
男A 「(CMチックに。カンペ見てもOK)パーシャルとはパーシャルフリージングの略で、日本工業規格JISでマイナス3度付近と規定されているんです。半凍結・微凍結状態まで冷却する保存方法の事なんです。肉や魚が凍り始めるギリギリで凍結するから鮮度が長持ち。約一週間も保存出来るんですよ」
男B 「なんだか居心地がいいのはそのせいかー!」
男A 「そうだろ? そうだろ?」
男B 「(全身で)パーシャル最高!!」
男A 「そうだろ? そうだろ?」
男B 「僕もここの主になっちゃおうかなー」
男A 「そうだろ? そうだろ? って、誰が主やねーん!(と言いつつも、そのやり取りが嬉しそうなA)」
光がゆっくりと差す。何かに導かれるように立ち上がるB。
男B 「(芝居口調で)そろそろ行かなきゃ。楽しかったけど」
男A 「もう、行っちゃうのかい?」
男B 「(仕方なさそうに)呼ばれたんで」
男A 「せっかくここにも慣れた頃なのに」
男B 「(去りつつ)呼ばれたんで」
男A 「パーシャル最高って、あの言葉は嘘だったのかい?」
男B (立ち止まり、Aに少し近付く)「呼ばれたんで(嬉しそう)」
男A 「待って! 待って! 行かないでおくれ! 俺を一人にしないでおくれ!」
男A 「止めないかね、その言い方は」
男B 「だって、どう見たって先輩じゃないですかぁ」
男A (やや短い沈黙の後、聞き取れるか聞き取れないか位の溜息をつき、自分の体を指差しながら)「これ、干からびてる訳じゃないからね? わざと干して水分抜いてるんだからね? その方が味がぎゅっと凝縮されるんだからね?」
男B 「まぁまぁまぁ、ここの冷蔵庫歴はボクより先輩じゃないですかぁ。で、何年いるんですか? 先輩(ちょっと小馬鹿にしたように)」
男A 「何年もいないよ。3日目だよ。君と二日しか違わないよ」
男B 「またまたぁ」
男A 「何がまたまたぁなんだよ。…君は一人で来たのかい?」
男B 「え? 連れとっす」
男A 「お連れさんはどうしたんだい?」
男B 「冷蔵庫に入る前に調理されたっす」
男A 「(憐れむ目でBを見ながら)じゃあ、俺と仲間だな」
男B 「仲間? 僕は鳥類であなたは魚類ですけど?」
男A 「そういう仲間じゃない。俺も本当は仲間と一緒にこの家にやって来たんだ。お取り寄せグルメの鰺の干物5匹セットとして」
男B 「(何かを察したように)ここん家、4人家族ですもんねー」
男A 「そうなんだ。(寂しそうに)到着したその日に一人一匹ずつ、俺以外の鰺はもう食べられてしまった。(上を向いて)でも奥さんがその内昼飯にでも焼いてくれるだろう」
男B 「奥さん、魚嫌いっすよ」
男A 「ええっ?!」
男B 「子供の手前、無理して食べてるっす」
男A 「そんなの、来たばかりの君が何で知ってるんだ!」
男B 「(料理をしている奥さんの口ぶりを真似て)『残りは何して食べようかなー♪ チキンライス? 照り焼き? タンドリーチキン? 魚食べなくて済むランチは何でも好きなもの食べれるー』って」
男A ガーーンを絵にかいたような顔をする。
男B (何故か嬉しそうに)「僕の相方切り刻みながら言ってましたよ」
男A ショックーを絵にかいたような顔で「何で嬉しそうなんだ」
男B (Aの背中をさすりながら)「まぁまぁ、ご主人が残業で遅くなった時に食べてくれますよ」
男A 「ご主人リストラにあったばかり!」
男B 「酒のつまみにしてくれますよ」
男A 「ご主人酒アレルギー!」
男B (さすっていたAの背中を段々腰の辺りに持っていきながら)「まぁまぁまぁ…痛っ!!」
男A 「俺のゼイゴに気をつけな!」
男B 「ゼイゴって何ですかー」
男A (無言で不敵な笑みを浮かべる)
男B 「あー、嫌だ嫌だ、こんな干からびた生臭いオヤジと一緒に鮮度が落ちるのを待つ日々は嫌だー 奥さーん! 早く僕を調理してー! カオマンガイが良いー!」
男A 「このパーシャル室にいる限り鮮度や美味しさは保てるよ」
男B 「(ちょっとわざとらしい感じで)パーシャル?」
男A 「(CMチックに。カンペ見てもOK)パーシャルとはパーシャルフリージングの略で、日本工業規格JISでマイナス3度付近と規定されているんです。半凍結・微凍結状態まで冷却する保存方法の事なんです。肉や魚が凍り始めるギリギリで凍結するから鮮度が長持ち。約一週間も保存出来るんですよ」
男B 「なんだか居心地がいいのはそのせいかー!」
男A 「そうだろ? そうだろ?」
男B 「(全身で)パーシャル最高!!」
男A 「そうだろ? そうだろ?」
男B 「僕もここの主になっちゃおうかなー」
男A 「そうだろ? そうだろ? って、誰が主やねーん!(と言いつつも、そのやり取りが嬉しそうなA)」
光がゆっくりと差す。何かに導かれるように立ち上がるB。
男B 「(芝居口調で)そろそろ行かなきゃ。楽しかったけど」
男A 「もう、行っちゃうのかい?」
男B 「(仕方なさそうに)呼ばれたんで」
男A 「せっかくここにも慣れた頃なのに」
男B 「(去りつつ)呼ばれたんで」
男A 「パーシャル最高って、あの言葉は嘘だったのかい?」
男B (立ち止まり、Aに少し近付く)「呼ばれたんで(嬉しそう)」
男A 「待って! 待って! 行かないでおくれ! 俺を一人にしないでおくれ!」
去るB。庫内暗くなる。冷蔵庫のブーーンという音が寂しく庫内に響き渡る。
庫内が少し明るくなる。
鶏の恰好をした男が庫内に入ってくる。うつむいてた男Aの顔がパァーと明るくなる。
男A 「戻ってきてくれたんだね」
男B 自分の事ではないと思い、辺りを見回してから無言でAの隣りに座る。
男A 「(ウキウキと)なんだ、戻ってきてくれたんだ。外の世界はつまらなくて帰ってきちゃったのかい? 奥さんが急に出前を取るって言ったのかい? パーシャルが良かったんだろう、パーシャルが! パーシャルは最高なんだ、パーシャルは!」
男B 「あのぅ、鶏違いじゃないっすか?」
男A 「鶏、違い?」
男B 「ボク、今朝絞められたばかりなんで」
男A 「今朝」
男B 「(明るく)ボク、朝絞めチキンなんです」
男A 「随分猟奇的なフレーズだねぇ」
男B 「だから…鶏違いじゃないですか?」
男A 「鶏違い…」
男B 「ボク、ぴっちぴっちの朝絞めなんで」
男A 「朝絞め…そうか。じゃあ、新鮮なうちにすぐ食べられるよ、きっと」
男B 「へぇーそんなもんなんですかねぇー(興味なさそう)」
男A 「でもこのパーシャル室は君を新鮮なまま一週間保存する事が出来るんだよ」
男B 「へぇーすごいっすね。なんか…ミストみたいなのが出てる…」
男A 「(全身で)そう! これがパーシャルだよ!」
男B 「(男Aを見ながら)その割にカピカピですねぇ」
男A 「こーゆーもんなんだよ、これが正解なんだよ」
男B 「へぇー(興味なさそう)」
男A 「君は一人でここに来たのかい?」
男B 「そうっすよ、僕、大友デパートお取り寄せグルメのお試しサービス品なんです」
男A 「大友デパート? 奇遇だねぇ、僕もそこの出身なんだよ」
男B 「へぇーそうなんですね(興味なさそう。せっかくのミストを嫌がる素振り)」
男A (自分の話に引き込ませたいが為に)「俺は大友デパートのお取り寄せグルメ人気第一位なんだよ?」
男B (男Aを頭のてっぺんから足の先までジロジロ見てから)「いやいやぁー」
男A 「本当だよ、本当なんだって! 大友デパートお取り寄せグルメ鰺の5匹セット人気第…」
男B 「今は2位です」
Bにライトが当たる。
男B 「僕が1位になったんで!」
Aが眩しそうに男Bを見る。
男B 「(自信満々に)はじめまして、大友デパートお取り寄せグルメ人気第一位朝絞めチキンです!」
Aは朝絞めチキンのあまりの眩しさに腰が抜け、ガクガク震えだす。
男A 「ま、眩しい! チビりそうだ!」
ライトが消え、暗くなった庫内。すぐに明るくなる。
男B 「お、早速ボクの出番だな」
男A 「(Bにしがみつく)待って、待ってくれ!俺も一緒に!」
奥さんの声「あら、やだわ、鰺が引っかかってる。よいしょっと」
すっ飛ばされるA。軽くAを見やった後、奥さんに手を引かれるように軽い足取りで出ていくB。
暗くなる庫内。ブーーン。
男A 「戻ってきてくれたんだね」
男B 自分の事ではないと思い、辺りを見回してから無言でAの隣りに座る。
男A 「(ウキウキと)なんだ、戻ってきてくれたんだ。外の世界はつまらなくて帰ってきちゃったのかい? 奥さんが急に出前を取るって言ったのかい? パーシャルが良かったんだろう、パーシャルが! パーシャルは最高なんだ、パーシャルは!」
男B 「あのぅ、鶏違いじゃないっすか?」
男A 「鶏、違い?」
男B 「ボク、今朝絞められたばかりなんで」
男A 「今朝」
男B 「(明るく)ボク、朝絞めチキンなんです」
男A 「随分猟奇的なフレーズだねぇ」
男B 「だから…鶏違いじゃないですか?」
男A 「鶏違い…」
男B 「ボク、ぴっちぴっちの朝絞めなんで」
男A 「朝絞め…そうか。じゃあ、新鮮なうちにすぐ食べられるよ、きっと」
男B 「へぇーそんなもんなんですかねぇー(興味なさそう)」
男A 「でもこのパーシャル室は君を新鮮なまま一週間保存する事が出来るんだよ」
男B 「へぇーすごいっすね。なんか…ミストみたいなのが出てる…」
男A 「(全身で)そう! これがパーシャルだよ!」
男B 「(男Aを見ながら)その割にカピカピですねぇ」
男A 「こーゆーもんなんだよ、これが正解なんだよ」
男B 「へぇー(興味なさそう)」
男A 「君は一人でここに来たのかい?」
男B 「そうっすよ、僕、大友デパートお取り寄せグルメのお試しサービス品なんです」
男A 「大友デパート? 奇遇だねぇ、僕もそこの出身なんだよ」
男B 「へぇーそうなんですね(興味なさそう。せっかくのミストを嫌がる素振り)」
男A (自分の話に引き込ませたいが為に)「俺は大友デパートのお取り寄せグルメ人気第一位なんだよ?」
男B (男Aを頭のてっぺんから足の先までジロジロ見てから)「いやいやぁー」
男A 「本当だよ、本当なんだって! 大友デパートお取り寄せグルメ鰺の5匹セット人気第…」
男B 「今は2位です」
Bにライトが当たる。
男B 「僕が1位になったんで!」
Aが眩しそうに男Bを見る。
男B 「(自信満々に)はじめまして、大友デパートお取り寄せグルメ人気第一位朝絞めチキンです!」
Aは朝絞めチキンのあまりの眩しさに腰が抜け、ガクガク震えだす。
男A 「ま、眩しい! チビりそうだ!」
ライトが消え、暗くなった庫内。すぐに明るくなる。
男B 「お、早速ボクの出番だな」
男A 「(Bにしがみつく)待って、待ってくれ!俺も一緒に!」
奥さんの声「あら、やだわ、鰺が引っかかってる。よいしょっと」
すっ飛ばされるA。軽くAを見やった後、奥さんに手を引かれるように軽い足取りで出ていくB。
暗くなる庫内。ブーーン。
明るくなる庫内。寂しそうにうつむくAの元に鶏肉が現れる。
男A 「来てくれたんだね! ああ、また別の朝絞め君か」
男B 「(Aには目もくれず)はい、皆ーこっちー狭いからゆっくりねー」
男A 「?」
男B 「ほらどんどん入ってー。順番良く入らないと全員入らなくなるよー。奥詰めてねー」
どんどん隅においやられるA。
男B 「(Aを背中で押しながら)え? まだ入るの? もう一杯だよ。うわっ! 押すな! 押すなって!(満員電車の中にいるようなマイムで)」
男A (Bに潰され、ほとんど見えなくなりながら)奥さん、買い過ぎだよ! 大友デパートお取り寄せグルメ朝絞めチキン気に入り過ぎだよ! また人気ナンバー1になっちゃうよ! 俺、潰されてボロボロになっちゃうよ? 奥さん! 詰め込み過ぎはパーシャルの良さ発揮しないよ? 奥さん! 奥さ…ん…」
男A 「来てくれたんだね! ああ、また別の朝絞め君か」
男B 「(Aには目もくれず)はい、皆ーこっちー狭いからゆっくりねー」
男A 「?」
男B 「ほらどんどん入ってー。順番良く入らないと全員入らなくなるよー。奥詰めてねー」
どんどん隅においやられるA。
男B 「(Aを背中で押しながら)え? まだ入るの? もう一杯だよ。うわっ! 押すな! 押すなって!(満員電車の中にいるようなマイムで)」
男A (Bに潰され、ほとんど見えなくなりながら)奥さん、買い過ぎだよ! 大友デパートお取り寄せグルメ朝絞めチキン気に入り過ぎだよ! また人気ナンバー1になっちゃうよ! 俺、潰されてボロボロになっちゃうよ? 奥さん! 詰め込み過ぎはパーシャルの良さ発揮しないよ? 奥さん! 奥さ…ん…」
暗転
読書感想文は一応書く
創作はねー
去年末で力尽きました…
あと4ヶ月だったけど
無理だった…
活字を嫌いになりそうだったから(多分ならないけど)
その前に辞めました
1年って長いね
はい
本題
現実の先にあるフィクション
ただ、近い将来、本当にこうなっちゃうかもなぁー
多分社会ってこうでしょ?
日本って、こうでしょ?
喉元過ぎると忘れちゃうでしょ
って
思う
若い頃勤めてた職場の社長が
「個人で政治献金を出すより、法人に出させればいい」
っていう考えの人で
その時は「何か違う」って思ったんだけど、何が違うのか分からなくて反論できなかったけど、
これ読んで分かったね
やっぱ政治と企業は癒着しちゃ駄目、危険
原発推進の人はこれを読んでも推進っていうのかな
推進の人も絶対反対の人も読むべし、べし
