宮古島の西側近くにある伊良部島・下地島に向かいます。

やはり天気は相変わらずイマイチですが。

遠洋漁業の漁港になっている佐良浜港に到着。ここから島を南下していきます。

ヤマトブー大岩の潮だまりです。波で海水が出入りする時に「バーン」と岩の奥から音がします。



伊良部島でもっとも標高が高いところにある牧山展望台からの眺めです。

緑が豊かな島ですね。宮古島方面を眺めると海の色がきれいです。

ここから西に向かうと、この島でいちばんのビーチがあるはずなのですが、この天気ではどうかな・・・

渡口の浜です。弓形のきれいなビーチで、台風接近中でもエメラルドグリーンの海。

なかなか良い雰囲気で、晴れていれば本当に居心地の良い場所になるでしょう。

こんな悪天候の中でも、地元の人はこのビーチで楽しそうに過ごしていました。

もちろん私もそうだったのですが。


この後すこし北上して、細い運河にかかる橋を渡って下地島に入ります。伊良部島のすぐ隣りにくっついている島なので、同じ島の中の川を渡っている感覚です。

島の外周道路沿いにしばらく行くと通り池があります。この池の底が海につながっているそうでダイビングの名所になっています。

下地島空港の誘導桟橋です。晴れていればこのへんも海の色がきれいなのですが。。

下地島空港は以前、実際に民間飛行場として使われていたのですが旅客の減少によって、今では日本国内唯一のパイロット飛行訓練用の飛行場として使われています。

空港から北東側に広がるのが佐和田の浜です。昔の大津波で運ばれてきたと言われている大きな岩がゴロゴロしていて不思議な光景が広がります。


漁港周辺は市街地になっており、そこから離れるとぽつりぽつりとホテルや民宿が島内にいくつかありますが、まだリゾート開発がそれほど大きく進んでいない島で、観光客もそう多くはありません。

これはこれでなかなか居心地の良い離島なのですが、現在、宮古島と伊良部島を大橋で結ぶ工事が進んでいるようです。

http://www.news.janjan.jp/column/0603/0603201093/1.php

「橋は伊良部島の医療、生活環境、福祉の向上、地域活性化を図り、安定した物流などを確保する」という事情からは良いニュースなのですが、おそらく橋が架かったことで観光客も宮古島からクルマでどっと流入することが予想されます。過去に同じように橋が架かって便利になったと同時に、手軽に行ける観光名所化してゴミ問題が起きたり、島内の治安が悪化した山口県の角島(http://www.jsce.or.jp/committee/lsd/prize/2003/works/2003c4.html )の例などと同様の弊害が起きないように、何とかうまくいくことを願います。


今回は八重山諸島とはまた異なった空気の宮古諸島に向かいます。

なのですが・・・

沖縄に行くときにしばしば悩まされてきた台風が接近しています。

飛んでくれるかな。。

なんとか出発。

日本の航空管制では、近距離便は高度の低いところを飛び、遠距離便は気流が安定していて燃料消費の少ない高い高度で飛べることになっています。悪天候時に比較的近距離の便でよく揺れるのはそのためですが、今回はこの原則が幸いしました。中型台風の雲の上を飛び越えて飛んで行きます。

羽田から那覇までは大型機のボーイング747-400で行きます。この747はもともとボーイング社が軍事用に開発していた機体なのですが、アメリカ空軍の採用がロッキード社の機材に決まったため民生用として転換された機体です。生まれて初めて乗った飛行機がこの747-400でした。滑走路の端に停止してから一気にパワーをかけて離陸速度まで到達する過程で客室内にもガソリンの臭いがプンプンしていたのを覚えています。この豪快な大型機材が日本の航空会社で使われるのもあと数年ですが。

那覇空港から小型機に乗りかえて宮古空港に着きました。宮古島市街です。やはり台風の影響を受けていて、空の雲が結構なスピードで流れていきます。

それでもせっかく来たんだからと島一周に出かけます。

・・・うーん。右端が東平安名崎です。実際にそこに着いた時には猛烈な突風でとてもカメラを構える余裕はありませんでした orz 

吉野ビーチです。あああ晴れていればなあ。

池間大橋です。向こうに見える島が池間島です。

この後、少し晴れ間も見えてきました。

この砂浜を下っていくと・・・

砂山ビーチです。日暮れ間近になってようやく海の色も良い感じになってきました。

宮古島は島の中に大きな山が無いので台風の直撃を受けると島全体が大きな被害を受けてしまいます。この直前にちょうどそんな大型台風の直撃があったばかりで、そのせいか地元の人たちは皆あまり元気がなかったように感じました。もともと宮古島の人たちはそんな控えめなキャラクターなのかもしれませんが。

明日は沖縄シリーズ一段落の伊良部島に向かいます。

日本で民間人が生活している島としては最南端になる波照間島に向かいます。

一見、フェリーとしてはやや小ぶりかなとも思える「フェリーはてるま」ですが、2層の船室の下に島で工事をするために向かうトラックなども積み込まれていて結構キャパシティはあるようです。

実は、石垣島から波照間島行きの航路には様々な逸話が言い伝えられており、いわく、「人生であんなに揺れる船にはかつて乗ったことが無い」「以前、高速船の猛烈な揺れでおじいさんが腰の骨を骨折して、それからはややスピードを落として運行するようになったんだよ・・」などなど。

高速船の所要時間は60分、フェリーは120分。ゆっくり進むフェリーならば揺れも少ないだろうと思って初めての波照間行きはフェリーにしましたが、この判断が、この後しばらくの間、船に乗ると軽い揺れでもすぐに船酔いになってしまうトラウマになるとは思いもしませんでした。。

竹富島の横を通り過ぎます。このへんはいわゆる「石西礁湖」の内なので揺れるといっても程度は知れています。

それが、西表島を右に見送った後あたりから、海の様子が一変します。珊瑚礁に囲まれた浅いエリアを出て、底の深い外海に出るわけです。海の色も濃くなり、波もアマチュア初心者級からオリンピック日本代表級にいきなりレベルアップします。フェリーでもそれはそれは揺れました。船室から見える窓の外の景色が一瞬ごとに青空からたちまち一面、蒼い海に入れかわり続ける、ゆっくり進むフェリーならではの独特の揺れで、乗船時間が長い分、苦痛もまた蓄積していきます。ううう。そういえば、ハッと気づくと自分以外の人はすでに全員がシートに横になって眠っています。「しまった」と思ったときはすでに遅く。船酔い状態に突入していました。それまで船旅はとても好きで、自分は船酔いにも強いと思っていたのですが。。

【翌年以降に八重山を再訪した時には高速船に乗ってみましたが、まだ高速船の揺れの方が、最新式ジェットコースター(車だけでなくレールまでが高速でグラグラ上下左右斜めに動く感じ)かのようにイメージすることで耐えやすいかと思いました。この高速船をクリアしたことでトラウマからも回復できました。

石垣島-波照間島航路を走る高速船の船内の様子が撮影された動画がありましたので貼っておきます。

http://www.ishigaki.fm/video/ht_fune_hate.html

フェリーと出ていますが明らかに高速船の揺れです。波の状況と天候次第ですが、60分の乗船時間のほぼ半分はこの程度の揺れが続きます】


そんな過程を経て、ボロボロになりながらも波照間島に到着しました。

ニシ浜です。曇り空で雨雲が左側近くまで来ていますが、クリームソーダのような海の色は夢を見ているようです。八重山のビーチではここが最高だと確信しています。これで船旅の苦労も報われました。。


波打ち際すぐのところでカニがケンカしていたり。

この人は結構、離れた沖合までシュノーケリングでスイスイ行ってしまったのですが、それでもこの浅さです。この遠浅ぶりがニシ浜のビーチを魅力的にしているのでしょう。

フェリーで波照間島に来る観光客はそれほど多くないので、時期や時間によってはニシ浜全体で自分ひとりしかいないということもしばしばです。そうなった時は本当に非現実感でいっぱいです。いつまでいてもまるで飽きない、ずっとここで時間を過ごしていたい、そんなふうに感じた稀有なビーチでした。

西表島は、八重山の他の離島とは雰囲気がかなり異なります。

白砂のきれいなビーチも少しだけあるにはあるのですが、島の大部分は亜熱帯の森林におおわれています。

石垣島からの船が港に着いて、少し歩いたところでアタマの上をコウモリが飛んでいきました。まだ昼間だったのですが。。

西表島というとイリオモテヤマネコが知られていますが、島の人にも愛されているようですね。

帰りの船の待合室にも、ヤマネコ生態調査の記録がありました。

待ち時間の間に、上原港の近くに「デンサー食堂」(http://www.jtb.co.jp/kokunai/Sight.aspx?bookid=23441590&categorytype=4 )を発見。ひとけがなくて、のぞいてみたら本当に誰もいなかったけれど入ってみると営業中でした。

ここでなにげなく食べた八重山そばとジューシー(沖縄風まぜごはん)のおにぎりがとても美味しかった。

最初は自分ひとりで、店のまわりにもほとんど誰もいなかったのですが、料理を待っているほんの十分前後の間に次々とお客さんが入り、たちまち席がいっぱいになりました。



高速船の窓の外に見える平らな島が竹富島です。台風が接近して海が荒れた時などは波をかぶって大変でしょうが、そのへんまで見越してか集落は島の中心部分に集中しています。

島に入って港からしばらく歩くと竹富島らしい穏やかな風景が続きます。小さな島なのですが、石垣島を別にすると八重山の離島ではいちばん観光客が多い島です。

アップダウンが無い平坦な道をさらに歩いて行くと・・・茂みの奥に海が見えてきました。

日本でもっとも海開きの早いビーチ、コンドイビーチです。10月でも余裕で海に入っている人がいます。

コンドイビーチから北に少し歩くと西桟橋があります。ここで見る夕焼けはきれいだそうですが、日の出が遅く日没も遅い八重山で、石垣島に戻る最終の船の時間を考えると、島の宿に泊まらないと厳しいかもしれません。






石垣市街から北に向かいます。左手に見えるのは名蔵湾です。右手には沖縄県最高峰の於茂登岳がそびえます。この先にしばらく行くと・・・



石垣島の川平湾です。最初に訪れた時には目の前の絶景に思わず足がとまりました。

8月と10月に行きましたが、真夏よりも初夏か秋に(といっても10月上旬でも日中は気温30℃くらいありますが)行かれた方が良いかもしれません。

川平公園の中になにげなくある川平公園茶屋さん(http://www.yuinou.net/kabira/ )の八重山そばやチャンプルーはかなりおいしかったです。

川平湾から底地ビーチまで歩いてみたのですが、亜熱帯の土地らしい独特の植生が印象的でした。

なにげなくこんな告知の貼り紙もあったりして。



石垣島の離島桟橋です。今年からはこの画像の右奥の方に新桟橋が完成して、そちらに移転しました(http://www.yaeyama.or.jp/newsanbashi.htm )。

最初に石垣島に行った時に、この桟橋から次々と船が竹富島や西表島に出発していく光景を見て、八重山に来たなあと実感する人が少なくないようです。 生活路線でもあるので早朝から日没まで船の出入りが盛んで活気があります。八重山各島への郵便物や島の商店にならぶ商品、民宿向けの食材などの生活物資もこれらの船が運んでおり、船がそれぞれの島に到着すると最初にそれらの荷物が乗客よりも優先的に降ろされるのも、この地域の暮らしに密着した公共交通機関なのだなと実感する場面です。

この離島桟橋のライブカメラがありますので、雰囲気を少しは感じていただけるかもしれません。

http://ishigaki.net/live/sanbashi/live.htm

以前はこの画像とほぼ同じアングルで桟橋の様子が真正面から見えていたのですが。。

JTAの石垣空港行きボーイング737-400の窓からの光景です。下に見えるのは宮古島で、突き出たところに池間島が見えます。

沖縄は、最初に沖縄本島に行ったときに現地で普通に暮らしている人に困っているところを何度も親身になって助けられて以来、はまってしまい、毎年県内のどこかに行っています。

沖縄本島と宮古島、石垣島(八重山)で、微妙に住む人のキャラクターも異なります。個人的な経験からは、もしも本当に仲良くなれたらいちばん面倒見が良いのは沖縄本島の田舎に住んでいる人たちでしょうか。お互いを尊重する気持ちを大切に、自分を飾らず構えず自然体で、というのは島暮らしの基本かもしれませんね。

私の家族がこの沖縄の人たちの人柄の良さに馴染むのではと思い、家族全員に沖縄行きをすすめたところ、やはり好感度がかなり高かったようです。