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「短すぎる恋」

あなたに初めて会ったのは、中1入学の前日だったね。
あなたは私の席の3つ前で、一目で好きになった。
入学式の予行練習が終わってから、私の親友に全部知らせた。
入学式当日。
あなたはいた。
あなたの制服姿はかっこよく、ますます惚れた。教室にドキドキしながらも、入った。
「あッ!!」
あの人だ!同じクラスでびっくりした。しかも私の列の1番後ろ。
こんな奇跡初めてだった。
入学式が終わってからまた親友にそのことを話した。親友が、
「そんな好きやったら遊び誘ったら??」
そんなん絶対無理!でもあそんでみたい…、メアドも欲しい…。
「でも誘うんハズイ…」
「わたしが誘ったるわ」えッ?うそやん!?
私はおちょくられていると思ったが本当だった。

第1章 出会い

風林会館前の小悪魔


俺がお前に初めて会ったのは、去年の今頃。
従業員と西の市に行った帰りやった。飯を食いに行く予定やったけど、客に呼び出された俺は一人で区役所通りを歩いとった。
しばらく歩いとると、風林会館のあたりで変な女がうずくまっとった。めっちゃ寒いのにドレス1枚しか着とらんくて、めちゃめちゃ震えとった。
俺は思わず、「大丈夫か?」と声をかけてしまったんや。
するとお前は俺のことをにらんで言ったんだよな?
「死ぬから……あたし今から死ぬから」
びっくりしたで。
今まで3年間ホストやってきとって何百人と声かけてきたけど、いきなり死ぬからって言われたんは初めてやったからな。
「何で?なんかあったんか?とりあえずこれ着とき?」
って俺のジャケットを羽織らせようとしたらお前はいきなり立ち上がって……
「死ぬって言ってんじゃん、バカッッッ!!」
バカって……。
こいつ頭おかしいんかなと思ってほっとくつもりで地面に落ちたジャケットを拾い、もう一度だけあいつの顔を見てみた。
そしたらさ、捨て犬みたいな顔して、唇噛み締めて目に涙いっぱいためて、肩小刻みに震えさせながら俺のことにらんどるわけよ。

「大好きやったんやで」

「今から死ぬから」


それがお前が俺に初めて言った言葉やな

大好きやった

ほんまに大好きやったんやで?

今はもう会えへんけどな

大好きなのは変わらん

  2006.10.02
静かに息を引き取った
さやかへ