今まで

「いつもニコニコして、嫌われないようにしないといけない」

と思っていた。



だから、どんなに嫌なことがあっても、笑顔を心掛けた。

そうすると、「いつも笑顔だね」「怒ることなさそう」と言われるようになった。

人間なので、怒らない訳がない。それでも私は仮面をつけ続けた。

本音も分からなくなる。



結婚しても、それを続けていた。夫に対しても。

でも夫が「◯◯(私)って分かりやすいよね」と言った。


一瞬何のことか分からず、聞き返す。



「怒ってる時とか嫌な時とか反応が遅れるから、すごく分かりやすい。いつも見てたら分かる」と。




びっくりした。

今まで「何を考えてるのか分からない」と言われていた私なのに。




「なんだ。バレてるのか。じゃあ、もういいか」と良い意味で諦めがついて(笑)


仮面が不意に外れた瞬間だった。



思えば、子供の頃は、気に入らないことがあれば怒鳴り散らす父親の目ばかりを気にしていた。



「あれがしたい

「これは嫌」


言いたかった言葉は喉の奥に消えていく。


夫と結婚して、


「あれがしたい」

「これは嫌」


言いたい言葉が少しずつ言えるようになった。


私が本音を言うと、夫はすごく嬉しそうに笑う。


その嬉しそうな顔を見ると、


「こんなことも言っていいのか」


とどんどん学びが増える。


結婚はよく「修行」に例えられる。


私の場合、結婚は本音を伝えるという「修行」なのかも知れない。


こんな幸せな「修行」なら良いなぁとふと思った。