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やまのぼり

登山の話をあれこれと

さて、いい年こいて今更本格的な登山の世界に入った理由には、ちょっとしたエピソードがあります。

少し長いです。興味のない人はスルーで。

 

 

 

2023年の10月くらいかな。夢を見ました。

 

夢の中では、数年前に亡くなった私のばあちゃんが出てきました。

私は子供のころからばあちゃんっ子で、今でも時々夢に出てくれます。

 

いつもは生前のころの笑顔で夢に出てくるばあちゃんですが、その時のは何やら難しそうな顔して私にこう言いました。

 

『あんたもうすぐ死ぬんだよ』

 

 

驚いた私は『いやだよ、まだまだやりたいこと沢山あるんだから』と言うと、ばあちゃんは悲しそうに言いました。

 

『仕方がないことなんだよ』

 

 

ここで夢から覚めました。

 

私はスピリチュアルなことを真に受けるような人間ではないのですが、大好きなばあちゃんが夢枕で言ってきたことだったので、少し動揺しました。

 

 

 

もうすぐ死ぬ

 

 

 

この言葉に思い当たる節はありました。

20代のころから仕事ばかりやってきたツケです。

 

家族を養うためと言えば聞こえはいいのですが、なんとなく目の前のことに追われる毎日だった気がします。

当然、健康は二の次、ストレス解消は食べること、飲むこと、喫煙と、不摂生な生活が20年以上続いていました。

 

大学い時代から体重は20キロ以上増え、170㎝前半で90㎏を超えていました。血圧も高く、お世辞にも健康とは言えない状態でした。

 

 

そんな状態なので『ああ、そりゃ死ぬよなぁ~』なんて感じていました。

しかし、怖いというより、あきらめの感覚が強く、慌てて病院に行くなどの行動に出ることはありませんでした。

 

『死ねば家のローンも無くなるし、子供もある程度大きくなってるし、まぁ十分責任は果たしたよな』

なんてさみしいことを考えていた気がします。

 

 

 

そんなある日、長野県に1週間ほどの長期出張の仕事が入りました。

現場は長野県安曇野市。

 

少し早めに現場が終わったある日、なんとなく時間を持て余していたため、近くを観光しようとスマホで検索していると、隣町に『大町山岳博物館』という博物館があることを知り、そこに行ってみることにしました。

自宅のそばの低山には、年に1、2回登っていたことと、親戚の叔父が山好きだったため、少し興味を抱きました。

 

 

大町山岳博物館に着き、駐車場近くのベンチに腰を開けると、雄大な北アルプスが目の前に現れました。

 

 

 



 

 

 

 

『すごい、、、』

 

 

まだ11月初旬でしたが、既に雪化粧した山々が連なり、なんとなく故郷の北海道の山々を思い出しました。

そして、標高3,000m近い雄大な姿の山々は、私の琴線に易々と触れてきました。

 

ばあちゃんの夢からなんとなく自暴自棄になっていた私でしたが、その美しい峰々を見た瞬間、強く心を打たれました。

そして心の底から思いました。

 

『まだ死にたくない。一度くらいあんな美しい山に登ってみたい』

 

 

若いころ、とあるテレビ番組で見た『槍ヶ岳』。

いつか死ぬまでに一度でいいから、槍ヶ岳に登ってみたい。

そんなことを考えていた時期があったのを思い出しました。

 

 

 

47歳だった私は、その時心に誓いました。

 

『50歳になるまでに槍ヶ岳に登る』

 

 

 

そして、その誓いから約9か月後、夏の終わりの槍ヶ岳山頂に立つことが出来ました。








 

 

 

食生活を見直し、運動をすることで、約半年で16㎏減量しました。

週末は、近所の山や八ヶ岳に通い、登山の練習を繰り返しました。

暇さえあれば書籍やインターネットにて、登山の知識を叩きこみました。

 

仕事の都合、妻の突然の病、金銭的な問題、、、

 

色々とトラブルはありましたが、運も味方に出来、予想よりも1年以上早く槍ヶ岳に挑戦することが出来ました。

 

 

 

 

槍ヶ岳の穂先から見た景色は、一生忘れられない思い出になりました。

 

 

 

 

 

と、まあ、ここまで読むと、なんかこの後不慮の死を迎える気がしますが、あれから2年以上たっても私は元気です(笑)

 

今ではすっかり山に魅了された痛いおっさんになりました。

翌年にはもう一つの憧れの山『剱岳』にも登りましたよ♫



そして

 

 

目指せ3,000m峰制覇!

目指せジャンダルム!

 

 

これが今の私の目標です。





ばあちゃんのおかげで、少しは健康になれた気がします。


今でも孫の心配をしてくれている祖母に、心からの感謝とお礼をしたいと思いました。




ばあちゃんありがとう

 

 

 

 

 

 

 

 



当時76歳の叔父と登った槍ヶ岳