切れ目のない“安全保障法制”をわかりやすく説明してみました
[幸福実現党 江夏正敏の闘魂メルマガ vol.39]
2015年5月5日発行
より転載
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江夏正敏 幸福実現党
政務調査会長のオフィシャルブログ
http://enatsu-masatoshi.com/
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1、江夏正敏の「闘魂一喝!」
「切れ目のない“安全保障法制”をわかりやすく説明してみました」

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先般、安倍首相が訪米し、日米首脳会談を行い、日米同盟を強化してきました。そして、安保法制関連法案の衆院通過を、6月下旬をメドに狙っています。
よく言われる「切れ目のない“安全保障法制”」です。ただ、新聞などを読んでも、なかなか解りにくいですね。
今回は、これらについて、できるだけわかりやすく解説してみます。

●ここ数年の安全保障の流れ。
安倍首相は2012年の第二次政権以来、国家安全保障会議(NSC)を立ち上げ、防衛計画大綱を改めました。
そして、昨年、限定的ですが集団的自衛権の行使に道をつけ、先般、日米ガイドラインを決めて、6月下旬に安全保障関連法案を成立させようとしています。
その理由は何か。それは中国および北朝鮮という、日本を脅かす存在があるからです。わが党の主張も同様であり、方向性は間違っていません。ただ解りにくい。
ここから政府が説明していることを代弁するように、やまと言葉で書いてみます。専門性はなくなりますが悪しからず。

●前提条件―平和を守るための世界の潮流―。
日本の周辺では、北朝鮮の核ミサイル、中国の尋常ではない軍事力の増強など、危険が高まっています。
さらに、大量破壊兵器が広がり、国際テロも頻繁に起きています。また、海洋、宇宙、サイバー空間などでもリスクが深刻化しています。
どの国も一国のみで平和を守ることができなくなっているのです。日本の周辺だけではなく、世界規模で危機を回避しなければ、日本の安全は守れません。
つまり、島国に籠っていては守れないのです。
「積極的平和主義」として、日本は世界の平和に積極的に貢献しなければ、自国の平和さえ脅かされてしまうという時代になっていることに気付かねばならないのです。
しかしながら、正規の「国連軍」は実現していません。次善の策として様々な枠組み(同盟関係、国際平和協力活動)などを通して、平和を守らざるを得ません。
ここに集団的自衛権がどうしても必要となってくるのです。
憲法9条の下で、集団的自衛権を限定的に行使し、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くためにも、
「切れ目のない“安全保障法制”」を整備しなければならない時が来ているのです。

●大きな3つの枠組み。
そのためには、(1)武力攻撃に至らない侵害への対処、(2)国際社会の平和と安定への一層の貢献、(3)憲法9条の下で許容される自衛の措置、
の3つを中心に必要な国内法制を整備しなければなりません。

(1)武力攻撃に至らない侵害への対処。
具体的には、尖閣諸島に中国の武装漁船が大挙として押し寄せてきた場合(平時でも有事でもない)、いかに初動で迅速な対応をするかが勝負です。
そのためには、海上保安庁、警察、外務省などが、しっかりと連携して、スキを見せないようにしておくことが大切です。
さらに、海上保安庁や警察が手に負えない場合、自衛隊が治安出動や海上警備行動が迅速に取れるようにしておかねばなりません。
(ちなみに治安出動、海上警備行動は、自衛隊を動かす切り札のようなものです)
さらに、日本を守っている米軍が攻撃されたとき、自衛隊が米軍を守ることができるようにします。

(2)国際社会の平和と安定への一層の貢献
日本の周辺で起こっている有事はもちろんのこと、遠方で起きている有事においても、米軍等の他国軍隊に、自衛隊は輸送や補給などの支援活動ができるようにします。
さらにPKOなどの平和協力活動において、人道復興支援など、もっとお役にたてるように仕事の幅を広くしていきます。
そして、邦人救出や、駆け付け警護などを可能とし、その際、武器が使用できるようにします。

(3)憲法9条の下で許容される自衛の措置。
もともと政府は、昭和47年見解にあるように、外国からの武力攻撃があれば、やむを得ず必要最小限度の「武力の行使」は許されるとしていました。
しかし、今回、日本に対する武力攻撃の場合に限られていた自衛隊の「武力の行使」を、
「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生」した場合も、「武力の行使」が許されることになります(新三要件の一部)。
これこそ、限定的ですが集団的自衛権の容認ということです。
政府は「他国軍隊を守ることは、憲法上は、防衛のためのやむを得ない自衛措置として初めて許されるものであり、
結果、国際法上、集団的自衛権とも言われている」と、言い訳のように説明していますが。

●具体的な法整備
以上の方針の下、具体的にどのような法整備が必要となるのでしょうか。今後の議論によって変わってきますが、現時点で予想されるものを述べてみます。
【自衛隊法】外国にいる日本人を輸送することはできるのですが、警護・救出はできないようになっています。これを警護・救出できるようにします(今までできなかったのです)。
次に、自衛隊自身の武器を防護できますが、米軍等の武器も防護できるようにします(集団的自衛権ですね)。
さらに、情報収集・警戒監視活動、海賊行為対処、弾道ミサイル対処などで平素から協力関係を充実させることができるようにします(これも今までできなかったのですね)。
そして「存立危機事態」(後述)の際に、防衛出動ができるようにします(これも集団的自衛権)。
【周辺事態法⇒重要影響事態法】今回、政府が周辺事態法の「周辺」という言葉を削除して重要影響事態法とするのは、
自衛隊による活動の地理的制約を外したことを明確化する狙いがあります。つまり、脅威が世界のどの地域で発生しても、日本の平和が脅かされるならば対処するということです。
そして、米軍以外の他国軍隊の支援を行うようにし、支援メニューも拡大する方向です。
【国際平和協力法(PKO)】停戦や軍の撤退などの監視という伝統的なPKOだけでは、多様化しているニーズに対応できていません。
例えば元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰、地雷対策、治安部門改革、人権の保護と促進、文民の保護、人道復興支援といったものにも活動できるようにします。
さらに、他国軍や民間人が攻撃を受けたときに「駆け付け警護」ができるような武器の使用権限を広げます。また、国連統括以外の活動も一定の要件があれば実施可能にします。
【国際平和支援法(新法)】日本の安全が危なく、他国軍隊を支援するときは、重要影響事態法で対処しますが、国際社会の平和と安全のために行う支援活動は、この新法で対処します。
以前はイラク特措法やテロ特措法など、特措法で対応していましたが、一般法を定めておこうというものです。
あるミッションが立ち上がった時に、すぐに参加しなければ、支援の効果が薄いからです。
【船舶検査活動法】もともとは、周辺事態法(重要影響事態法)が定める船舶検査の方法や手続き、武器使用などについて定めた日本の法律です。
怪しい船があったならば、積荷や目的地を問い糺すことができる法律です。
周辺事態法が重要影響事態法になったように、地理的な制約をなくしたので、船舶検査活動も地理的制約をなくし、
国際社会の平和と安全のために船舶検査活動を実施可能にするということです。
【事態対処法制】ざっくりと言いますと、相手国から攻撃を受けるような「武力攻撃事態」が発生すれば、自衛隊は「武器の使用」が可能です。
しかし、これは日本が攻撃を受けた場合なので、他国に武力攻撃が発生した場合は使えません。そこで「存立危機事態」という新しい概念を作ります。
他国が攻撃を受け、それが日本国民に重大な被害が出るとき、自衛隊は武力を行使することができるというものです。

●やはり憲法9条改正。
以上、おおまかなところを述べました。これでも、かなり省略しています。
本質は、限定的な集団的自衛権を認める閣議決定がなされたことによる、安全保障法制の改正、新法の成立を目指しているということです。
ただ、ややこしい議論になってしまうのは、憲法9条があるからです。国を守って良いのか、悪いのか、ハッキリしません。だから、こじつけのような議論が必要になってくるのです。
日本には、全世界の国に認められている「自分の国は自分で守る」という普通の国になる権利があります。
また、中国、北朝鮮によって東アジアは、危機が高まっています。さらに、第二次世界大戦において、日本は悪逆非道とレッテルを張られてしまいました。
歴史を大きく見れば、日本がなければ植民地解消に至らず、人種差別もそのままだったでしょう。
日本の名誉を復活させ、憲法9条を改正し、日本の平和と安全、東アジアの安定、世界の平和と繁栄に貢献する必要があります。
日本国民は目覚めなければならないギリギリの時が来ているのです。

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2、編集後記
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戦後70年、歴史認識を含め、きわどい攻防が国内外で行われています。
安倍首相も頑張っていますが、日本国内の左翼論調に足を引っ張られています。
日本の誇りを取り戻すためにも、国民が強い意思表示をしなければなりません。
幸福実現党は、そのために署名運動など、地道な活動を展開しています。
皆様、ご協力をお願いします。

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◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール 

1967年10月20日生まれ。

福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。

広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、
HS政経塾・塾長等を歴任。

幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。
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