外科医かるた 【お】

押したときより離したほうが痛い

 
 


 

虫垂炎(アッぺ)が疑われる時、診察でお腹を押します。
押したときより手を離したときのほうが痛い=反跳痛といって
腹膜炎を起こしている可能性があると判断します。

最近は虫垂炎⇒即オペ!ではなく抗生剤で経過をみることが多いですが
「離したときのほうが痛い」なら虫垂が破けて腹膜炎になっていると考え
CT撮ってー麻酔科とオペ室に連絡してー緊急手術!と
一気に救急室は慌ただしくなります。
それが夜中だと外科医もがっくりです。
もちろん麻酔科もがっくりでしょうが・・・

他にも
「歩くと下腹部に響く」「ジャンプできない」
というキーワードを聞くと外科医は「ほーそうですか」と答えつつ
内心は
「やべー今オペ室埋まってるし上級医帰っちゃったしお腹開けて虫垂が腫れてなかったらどやされる・・・いやいや反跳痛あるし・・・」
とか考えてたりします。



急性虫垂炎(アッぺ)は腹痛診察の基本。といっても診断は実は難しい。
でも「虫垂炎ではない」と診断するのはもっと難しいです。