変則的デジャヴ | Surf’s-Up

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音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

先日、クリント・イーストウッドが監督した「インビクタス~負けざる者たち~」を見た。


冒頭、モーガン・フリーマン演ずるネルソン・マンデラが警護されながら散歩するシーンがあるのですが


警護するSPの顔を見て、なぜかゾクッと来ました。


「なんか、見たことある・・・」




よーく思い出してみたら


「ホテル・ルワンダ」という映画で、グレゴワールというホテルマンを演じた人でした。


ちなみにストーリーを紹介すると


基本はルワンダの民族紛争(フツ族とツチ族が争い、多くのツチ族が虐殺された)の話。


フツ族出身のホテルの支配人が、多くのツチ族(奥さんも)をホテルに匿って、なんとか助けようとするのですが


あるホテルマンの裏切りによって、フツ族の過激派に襲われることになるのです。


その裏切り者こそが、グレゴワール。


このグレゴワール、映画ではめちゃめちゃ悪いヤツで


ホテルではまじめに働かないし、非常事態になってからは、支配人の言うことも聞かず


昼間からホテルのビールを飲んでさぼっている。


支配人に向かって「ゴキブリくさい」(ツ族はツチ族のことをゴキブリと呼んでいた)と


ツチ族の虐殺を臭わせる。


結局グレゴワールは過激派の手下となってホテルに乗り込んできます。




つまりは、そういう人種問題(厳密には民族問題だけど)で悪として描かれていた人が


今度は生真面目でマンデラに忠誠を誓っている熱血SPとなっているわけで。


それに気づいた瞬間、僕はマンデラが殺されるんじゃないかと思ってしまいました。


映画自体は、なかなか面白くて、良くできていると思ったけど


彼が出てくるシーンは、なぜか胸騒ぎがして複雑でした。