FUJI ROCK FESTIVAL '10 7/31(2) | Surf’s-Up

Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

 22-20S'の余韻もそこそこにグリーンへ素早く移動。ジョン・フォガティを観るために。予想通りというか、ステージ前方はスカスカ。余裕でフェンスの近くまで入ることが出来た。自分の近くには40~50台と思われる先輩方がたくさんいた。でもなんだろう。すごく楽しそうというか、なんか素敵。いくつになってもロックに恋い焦がれている人たちはやっぱり素敵だ。自分もそうなれればと、ちょっと思ったりして。


 で、なぜ自分はそんな中にいるのかというと、高校生の頃すごくCCRにはまったことがあったから。ラジオでたまたま特集していたのを聴いて、泥臭くて無骨な感じと、キャッチーなメロディー、ジョンのヴォーカルがすごく好きになったのだ。とはいえ、旭川の小さなレコード店にはオリジナルアルバムは一枚もなくて、ベスト盤しかなかった。でも、自分は喜んでそれを買い、聴き倒していた。



Surf’s-Up
 という、思い入れたっぷりのジョン・フォガティなのだ。最近、CCRナンバーをやるようになったという情報も仕入れ済み。本人が青いチェックのシャツ姿で登場。アメリカ南部の牧場からやってきましたー、みたいな出で立ち。


 そして1曲目は、Hey Tonight。いきなりCCRだぁ。うれしー。周りの先輩方もスペースに余裕があるので踊る踊る。そしてジョンがとっても気持ちよさそう。その後もガンガンCCRナンバーを繰り出していく。なんと3曲目、超名曲WHO’LL STOP THE RAIN を歌い出した途端、空からポツリポツリと。なんというタイミング!!ジョン、止めて下さい!!(結局降ったり止んだりでしたが)


 ソロになってもCenterfieldという大ヒットアルバムを出しているのだけど、日本で知名度は低いらしく、やっぱり圧倒的に盛り上がるのは、CCRナンバー。HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN ?が流れると若者もだいぶ押し寄せてきた。バンドの方も当然いかにも叩き上げだぜ!って感じのメンバーがそろい、排気量の多い骨太のロックサウンドを鳴らしていた。


 思ったより長いセットで、Fortunate SonやProud Maryやってくれなかったら・・・と心配になったが最後の方でやってくれた。Pretty Womanなんかカバーしてないで、もっと他にやるべき自分の曲があるだろう、ともちょっと思ったが、気迫、貫禄がびしびしと伝わってくる素晴らしいステージだった。

HEY TONIGHT 

GREEN RIVER 

WHO’LL STOP THE RAIN
LOOKIN’ OUT MY BACKDOOR 

WROTE A SONG FOR EVERYONE
BORN ON THE BAYOU 

RAMBLE TAMBLE 

MIDNIGHT SPECIAL 

HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN 

PRETTY WOMAN 

HOT ROD HEART 

BIG TRAIN FROM MEMPHIS 

KEEP ON CHOOGLIN’ 

DOWN ON THE CORNER 

CENTERFIELD 

OLD MAN DOWN THE ROAD 

BAD MOON RISING 

FORTUNATE SON 

GOOD GOLLY MISS MOLLY 

UP AROUND THE BEND 

PROUD MARY 





Surf’s-Up  ジョン・フォガティが終了した頃には、かなり雨脚が強くなってきた。MGMTまでかなり時間が空くので、このままグリーンに残り、Roxy Musicを観ることにする。同じ中高年ながらも、客層は微妙に変わってきている。自分もロキシーのことはあまり知らなくて。洋楽を聴くようになった頃はすでにブライアン・フェリーがソロでドント・ストップ・ザ・ダンスとか歌ってたので、さほど思い入れはない。しかし、フィル・マンザネラやアンディ・マッケイなど名プレーヤーの多いバンドだということは知っていたので、そのプレイを一目見ようと思い残ることにした。


 そしてメンバー登場。ほとんど皆スーツを着ている。フェスでは珍しい光景だ。サポートメンバーは女性が多い。強い雨の中で正直観客も少ない状況であるが、映像を効果的に使い、ロキシー色にグリーン・ステージを染めていた。ブライアン・フェリーは相変わらずの伊達男っぷり。汗なんだろうけど、雨に濡れたような感じに見え、よりセクシーさを醸し出していた。フィル・マンザネラは渋くテクニックを発揮するというより、意外なほど情熱的にプレイしている。所々パンキッシュなカッティングも見せていた。アンデイ・マッケイのサックスは、まさにロキシーのキモでしょうね。すごく艶のある音色でした。


 最後まで観ていたかったけど、次のMGMTはかなりの混雑が予想されたので、ジェラス・ガイを聴きながら早めに移動しました。案の定、ホワイトへの道は大渋滞。ホワイトについたときは、そんなに人はいなかったけど、始まる頃にはびっしり。そしてついに入場規制がかかってしまった。早めの移動は正解だった。


 

Surf’s-Up オープニングはPieces Of What。個人的に好きな曲で、それだけで嬉しくなった。セットリスト的には2枚のアルバムからバランス良く選ばれている。2ndで見せた深化の部分もライブではしっかり表現されていたように思う。ライブバンドとしてこなれた感じもないし、工夫や改善の余地もまだまだありそうだけど、その計算されていない感じが、逆に彼らの力が未だ潜在しているような雰囲気を与えている。後数年もしたらフレミング・リップス級の異空間を作り出せるバンドになっているかもしれないし、その力は十分にある。彼らの神秘性が更なる高みへと結実してほしいと思う。そういう余韻を感じさせるステージだった。 

1.Pieces of What
2.Brian Eno
3.Electric Feel
4.Flash Delirium
5.Of Moons, Birds & Monsters
6.It's Working
7.The Youth
8.DESTROKK
9.Song For Dan Treacy
10.Weekend Wars
11.Time to Pretend
12.Siberian Breaks
13.KIDS
14.Congratulations
[encore] 15.The Handshake