うちから車で20分のところにすんばらしい図書館を見つけたのでw
で、今日読了したのは角田光代さんの『ツリーハウス』。

以前から読みたかった作品です。
個人的に角田さんの小説には影響されるところが多いのです。
この本のストーリーはざっくり言うと、戦時中に満州に渡った一人の男と女が結婚し、戦争を体験し日本に引き揚げてきて、新宿に中華料理店を設け、その子供、孫に至るまでの家族の物語を書いたものです。
現世と過去が平行して書かれ、現世は満州に渡った女性の孫の視点で語られています。
この小説の何に引きつけられたかというと、『満州』と『引き揚げ』です。
私の家は所謂『引き揚げ者』の家で、この小説と違う所は満州ではなく朝鮮半島であったということです。
曾祖父母の時代に向こうに渡り、祖父母と私の母は朝鮮半島の生まれです。
この小説の中で満州に渡った2人は、貧しく徴兵から逃げ、日々食べていく事に命がけで、それでも最初は広い大陸の地に夢を見て生きて行く姿が書かれています。
うちの祖父母は幸運にもそれとはまったく逆で、祖父は朝鮮総督府の職員(所謂公務員)で、祖母は京城(現ソウル)で女学校に通い、比較的裕福な暮らしをしていたようです。
勿論生粋の日本人です。
しかし、終戦後日本に引き揚げの際はやはり相当大変な思いをしたようで、祖父母が亡くなっている今となっては、何故もっと話をちゃんと聞いておかなかったのかと後悔しています。
私にとって朝鮮半島とは、祖父母が人生の1/3を暮らした場所であり、母が生まれた場所でもあります。
しかし子供の頃は、うちが引揚者の家だということを周りにひた隠しにしていました。
何かそれがとても恥ずかしいことのように思え、知らずに避けていたのです。
また特にお隣の国に興味も持っていませんでした。親戚が集まるとよく当時の話が出たので煩わしく感じたこともあります。
しかし海外に留学して韓国人の友達ができ、祖母がよく使っていた言葉が韓国語(朝鮮語)だったことを知り、不思議と縁のようなものを感じました。
私は東方神起のファンなので韓国によく訪れるのですが、統治時代の面影は、今のソウルではもはやその片鱗すらも見られないと思ってます。実際ほとんど建物など取り壊されましたし。
ただ、もし祖母がまだ生きていて、一緒に行く事ができたのなら、この小説のヤエさんのように当時の光景を祖母の目を通して見る事が出来たのかな…なんて思います。