息子が小学校高学年の時の話です
休み時間にどこかに隠れたり、友達に対して大きな声で激高することが頻発しました
理由を聞いてみると、
「友だちに嫌なことを言われる」
「好きな女の子の名前を何度も言ってからかってくる」
「言葉自体は嫌なことではないけれど、なんとなく嫌な言い方をみんなでしてくる」
などが原因とのこと。
この「からかい」は言葉によるいじめとも捉えられ、10代の子どもたちの間では最もよく見られるいじめの形態だとも言われています。
金剛出版の「友だち作りの科学」エリザベス・A・ローガン著によると、
全米教育統計センターの統計では、自閉症スペクトラム障害の思春期では、94パーセントの子どもが、何らかのいじめを受けている、という結果がでているそうです
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自閉症スペクトラムの子どもは友だちが少ないので、周囲から守られていない存在と見られ、いじめの標的になりやすいのです。
しかも、よりいじめられやすいのは、知的に遅れがない高機能自閉症の子どもたちだという統計も出ています。
PEERSのプログラムを熟読し、私は息子に以下の対策を教えました
『誰もが皆、からかわれる・・・・・だけど、あなたがどう反応するかによって、流れが変わるよ』
まず、障害を持つ子も持たない子も、人気者の子でもそうでない子も、だれでも皆からかわれることがあるということです。
ただ、コミュニケーションスキルに問題のない子は、そのからかいをなんでもないことのように上手にかわすことが、自然にできます。
そのやり方を、息子にも教えることにしました。
それは
短いコメントや、そっけない素振りで反応すること
「はっ??」「だから??」「えっ??」「なに??」「へー」「はいはい」
もしくは、
『首をかしげる』『流し目で見る』
などです
そして、可能であればその反応をした後すぐに、その場所を離れます
離れられないのであれば、そちらの方は見ないようにします
PEERSでは、からかいに対する対応として、以下は意味がないとしています
× 何も言わずにその場を離れる
(いじめっこは後を追いかけてからかい続ける)
× 無視をする
(いじめっこは弱虫とみなされからかい続ける)
× 大人に伝える
(密告者、告げ口野郎とレッテルを貼られる)
ただし、暴力を伴ういじめは、からかいとは別問題。すぐに大人に言う必要があるとうことも教えました。
朝、学校へ行く前に、からかわれたときの対応をプライミング(予備知識を与えること)します。
そして実践して帰ってこれたら、沢山褒めてあげます。
息子が良く使ったのは「えっ??」「はっ??」だったそうですが、効果は大いにあったと教えてくれました。
おかげで、からかわれることが減り、激高することもなくなりました。
なお、こちらの対処法は、同級生からのからかいには非常にうまく機能しますが、暴力をふるうようないじめっ子や、目上の人に対しては用いてはいけません。
暴力を伴ういじめへの対処法は他のプログラムになります。
また、上司や先輩、先生などに用いてしまうと、何らかの罰を受けることになるうえ、評価にも関わるので非常に不適切です。
自閉症スペクトラムの子どもが、楽しい学校生活を送れるように願ってやみません。
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