2ヶ月前の年越しの話を書こう。
山梨のど田舎で年越しをした。長い休みはできるだけ帰るようにしている。
紅白歌合戦を見て、のんびりとこたつで起きている家族と新しい年を迎えるのが通例だ。
だが、今年は違った。毎年、家族の誰かが深夜に地元の神社にお詣りをし、破魔矢を納め、新しいものを買ってくる。今年は諸々の事情で僕が1人で行くこととなった。
久しぶりに地元の神社に行くので、せっかくであれば1人で夜道で新しい年を迎えたいと思った。
紅白を見終えたら、すぐに仕度し家を出た。大好きな、あまりにも素敵な夜だから、を午前0時にアラームをかけて歩き出した。
暗い。真っ暗だ。家から神社まで街灯がほとんどないことは昔から知っていたはず。しかし、こんなにも暗かっただろうか。昔からこんなに暗かったのか、過疎化と高齢化で更に家の明かりや街灯が減ったのか。スマホのライトで照らさないと歩けなかった。
この年越しの夜道で楽しみにしていることがある。星空だ。歩きながら空を見上げた。立ち止まざるを得なかった。
こんなにも美しい星空だったのか。私はこんなにも美しく、私だからこそ容易に経験できるものを、ここ何年も見ていなかったのか。
遮る人工の明かりなどない、澄みきった冬の空気。満天の星空というにふさわしい。小さい星も輝いている。幸せな時間だ。
再び歩き出し、あの心地よいギターのイントロが始まった。軽快なテンポの曲だ。辺りには誰もいない。歩くのが楽しい。この曲は、飲み明かした朝の歌だが、それはいいのだ。そのメッセージが好きなのだから。
そうこうしながら、神社でお詣りをし、同級生のお母さんに挨拶したりした。
行きの途中からか帰りからか曲を変えた。A Beautiful Storm、である。地球の誕生をテーマとした壮大な曲だ。恐らく、人生で一番多く聴いている曲である。この曲をこの星空を見ながら聴きたかった。
今までで一番、曲が体に響いた。地球を感じることができる瞬間だったからだろう。曲というものは、聴くに相応しい瞬間があることを知った。そして、歌や曲を作る過程において、その瞬間の想像力があることが、より良いもの作ることに繋がると感じた。
帰り道、悴む手でスマホを耳に当て、延々と聴き続けた。歩いては立ち止まり、美しい星空を見上げ、それを繰り返した。
そうして、家に着いた。それが僕の2020年の始まりだった。
山梨のど田舎で年越しをした。長い休みはできるだけ帰るようにしている。
紅白歌合戦を見て、のんびりとこたつで起きている家族と新しい年を迎えるのが通例だ。
だが、今年は違った。毎年、家族の誰かが深夜に地元の神社にお詣りをし、破魔矢を納め、新しいものを買ってくる。今年は諸々の事情で僕が1人で行くこととなった。
久しぶりに地元の神社に行くので、せっかくであれば1人で夜道で新しい年を迎えたいと思った。
紅白を見終えたら、すぐに仕度し家を出た。大好きな、あまりにも素敵な夜だから、を午前0時にアラームをかけて歩き出した。
暗い。真っ暗だ。家から神社まで街灯がほとんどないことは昔から知っていたはず。しかし、こんなにも暗かっただろうか。昔からこんなに暗かったのか、過疎化と高齢化で更に家の明かりや街灯が減ったのか。スマホのライトで照らさないと歩けなかった。
この年越しの夜道で楽しみにしていることがある。星空だ。歩きながら空を見上げた。立ち止まざるを得なかった。
こんなにも美しい星空だったのか。私はこんなにも美しく、私だからこそ容易に経験できるものを、ここ何年も見ていなかったのか。
遮る人工の明かりなどない、澄みきった冬の空気。満天の星空というにふさわしい。小さい星も輝いている。幸せな時間だ。
再び歩き出し、あの心地よいギターのイントロが始まった。軽快なテンポの曲だ。辺りには誰もいない。歩くのが楽しい。この曲は、飲み明かした朝の歌だが、それはいいのだ。そのメッセージが好きなのだから。
そうこうしながら、神社でお詣りをし、同級生のお母さんに挨拶したりした。
行きの途中からか帰りからか曲を変えた。A Beautiful Storm、である。地球の誕生をテーマとした壮大な曲だ。恐らく、人生で一番多く聴いている曲である。この曲をこの星空を見ながら聴きたかった。
今までで一番、曲が体に響いた。地球を感じることができる瞬間だったからだろう。曲というものは、聴くに相応しい瞬間があることを知った。そして、歌や曲を作る過程において、その瞬間の想像力があることが、より良いもの作ることに繋がると感じた。
帰り道、悴む手でスマホを耳に当て、延々と聴き続けた。歩いては立ち止まり、美しい星空を見上げ、それを繰り返した。
そうして、家に着いた。それが僕の2020年の始まりだった。