◇公開されている試験問題を参照し、一級建築士試験「建築法規」試験問題を考えていきます。
◇「公益財団法人 建築技術普及教育センター」H.P.で公開の2025年(R7年)問題を参照します。
◇これから(来年度)「一級建築士試験」の挑戦する方の参考になればと思っています。
No.27 正答3
1.この設問は、建築基準法上、何故、正しいのか?
・令78条の2で、耐力壁の開口部補強筋に関して規定している。
・従って、同条1項二号の条文に準拠している設問の記述は、正しい。
2.この設問は、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律上、何故、正しいのか?
・法2条1項三号で、遵守すべき「建築物エネルギー消費性能基準」を定義している。
・省令で具体的な「建築物エネルギー消費性能基準」の技術事項を定めている。
・省令第条1項二号イ(1)の表で、基準値を表の数値以下とすることを規定している。
・地域区分「6」の場合の「外皮平均熱貫流率、冷房期の平均日射熱取得率」を参照。
・設問のものは、共に、表に記述されている基準値以下であり、設問の記述は、正しい。
3.この設問は、建築基準法上、何故、誤っているのか?
・令125条の2で、屋外出口等の施錠装置の構造等を規定している。
・同条1項で、設問の状況の場合、「屋内から鍵を用いることなく開錠出来るもの」と規定。
・従って、「鍵を用いて開錠できる戸を設ける」という設問の記述は、誤り。
4.この設問は、建築基準法上、何故、正しいのか?
・法27条で、設問の建築物は、耐火建築物等(耐火建築物、準耐火建築物)が要求される建築物。
・法2条九号の二、同九号の三で、共に令109条に規定する防火設備を要求している。
・また、109条の2で、上記防火設備には、20分遮炎性能を要求しており、設問の記述は、正しい。
◇SHRSの考察
・No.27~No.30 までは、法律上の混合問題になっていますが、実務的な部分を追及していますねっ!
・条文で言うと、数値基準や具体仕様を問いかける、いわゆる「技術的基準」の問いかけです!
・実務に詳しい人には簡単ですが、そうでない人には、結構、面倒な設問かもしれません。
・政令は目次を見ると何が書いてあるか、大方の検討がつきますので、政令検索に慣れる事が必要!
・また省エネ基準では、政令から省令の基準に突っ込まないとわからない設問になっていますね!
・とにかく、法令集の技術委的基準を調べる癖付けが必要なのかもしれません!
2025 12 月 27日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者