いつか消えるその日まで

いつか消えるその日まで

紡ごう 私の言葉を

Amebaでブログを始めよう!
たまこさんは美人だと思う。
短い栗色の毛も綺麗だし、大きな瞳も魅力的だ。
出会った当初は全く此方を向いてもくれなかったが、今となっては僕の膝の上が落ち着くから好きらしい。たまこさん自身は言ってくれないからそういう風に見えるという僕の主観だけれど。

今日のたまこさんは機嫌がいい。
欠伸を零しながら僕のところにやってくると、ソファに座ったの横にちょこんと座った。伸びをしたかと思うと、僕の膝に頭を預けてきた。
本当は頭を撫でたい。
でもたまこさんは眠る時に頭を撫でられるのは嫌いだ。何度跳ね除けられたか知れない。

「たまこさーん」

ふい、と顔を背けられた。
機嫌はいいが相手をしてくれるつもりは無いようだ。
寝るから放っておいてくれと後ろ頭が訴えている。
僕はたまこさんの名前を呼ぶことすら許されていないらしい。そして、動くと鬱陶しそうににらまれるから動くことも許されていない。
何とか手が届くところにあった文庫本を手にとった。
僕が読み終わるのが先か、たまこさんが起きてくれるのが先か、はたまた僕が転寝してしまうのが先か。
全部たまこさん次第なんだろうな、なんてぼやきながら手の中の文庫本を開いた。
好きだった人が嫌いになって

嫌いだった人がそうでもなくなって

ちょっとしたことに落ち込んで

くだらないことで落ち着いて

どうでもいいことばかり考えて

大切なことは何処に消えた


頭痛い


何が楽しいんだっけ

何が美味しいんだっけ

負の感情ばかり山ほどあって

逆の感情がわからない



胸の辺りが気持ち悪い

切り裂いて吐き出して全て失くしてしまいたい

最後に残った大切なものだけ大事にしていきたい

汚い醜いものばかりで

キラキラ輝くものは怖い



全てなくなれば幸せになれる


しあわせになりたい
貴方たちの笑う顔が見たいから

アタシは今日もふざけよう

馬鹿げたことを口にして

情けない人間演じて

貴方たちの笑いを誘おう

その笑顔が何よりも

アタシにとってのご馳走