介助犬マリー 第八話   スポンジこゆたん




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おじさんは激しい剣幕で、一郎さんを攻め立てます。


しかし、一郎さんはひるみません。


「はい。それは大変申し訳ないと思っています。

しかし、あちらの仕事も私を必要としている。

しかも、必要とされているうえに、私はあの仕事に

生きがいを感じているんだ。だから行くのです!!」


一郎さんの後姿は必死に訴えました。


突然マリーの体を衝撃が走りぬけました。


「一郎さんは、今何と言ったの?」


マリーはもう一度思い出しました。


『必要とされているうえに、

その仕事に生きがいを感じている。だから行くと…』



マリーの体をもう一度激しい稲妻が走りました。


そうです。


一郎さんの言ったことは、つまりはマリーにも同じことでした。


マリーは、メイおばあさんを助けてあげられることを

誇りに思っていた。


その仕事に生きがいを感じていた。


だから、マリーはおばあさんと一緒に長い間暮らしてきたのです。



マリーがおばあさんと一緒に暮らしていたのは、


なにも食べ物があるからとか、

寝床があるからとか、


そんなことではなかったのです!


マリーは、今初めてそのことに気がいたのでした。



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