君にも僕にも、家がある。


その家がすぐそこに見えているのに、
戻れなかったらどうだろう。



いつもと同じように変わらない自分の家が、
すぐそこにあるのに


そこに帰れなかったらどう思うだろう?

小さい時からずっと僕らを見守ってくれていた庭の木


寂しい時、話し相手になってくれたぬいぐるみ達。


少し色のはげたお気に入りのマグカップ。


柱に刻んだ僕らの背丈。



僕にも君にも、家がある。



帰るべき家が、ずっと育った家が。



でも、戻れない人たちもいるんだ。



何でかって



僕らの生み出した科学のせいだよ。


科学が人間の想像をはるかに、
超えてしまったからなんだ。


おかしいよね、自分たちが作り出したものなのに




by スポンジこゆたん