こんばんはニコニコ

自分を愛せるようになったと思ったら

やっぱり愛せなくなったり

自分を愛せない自分を愛そうとしたり

相変わらずらせん階段をグルグルしながら生きているすぴれです黄色い花

 

さて、最近『自分の過去を物語にして整理するといいよ天使』という

メッセージがあたまの後ろ側の天使さんから

しきりに送られてくるので、、

そんなのだれが読むの!?という

エゴさんの声もありますが、

とりあえずやってみることにしました音譜

 

今までのように子育てネタや日々の気づきと

ランダムで私の人生の物語を更新していきますねニコニコ

もしかしたら一年くらいかかるかも、、とか

思っちゃってるけど、

意外とスピーディーに終わるかも?

 

自分でもわからないけど、

なんとなくワクワクするような気もしないでもないラブ

 

それでは、はじまりはじまり・・・

 

 

 

 宝石赤

 

 

 

その頃のことを思い出すと

いつも不思議と自分の後ろ姿が目に浮かぶ。

 

彼氏の言葉に一言も返さずに

駅のホームを歩き去った私の背中。

実家のドアをしめて

大雨の降りしきる中ひとり駅まで急いだ私の濡れた背中。

 

私の心はバラバラで、

彼にも、親にも、友達にも、あらゆる思いがあったけれど

それをだれにもちゃんと伝えられないまま

ただ、あと一歩で奈落の底に落ちていきそうな自分の肉体を

なんとか維持することだけのために生きていた。

 

大学3年生の春。二十歳になったばかりの春。

はじめて最寄り駅のトイレで無理やり吐いたことを皮切りに

私は摂食障害になり

そこから不安の波に飲み込まれるようになり

家族と住んでいた家に帰ることもできなくなり

どんどん深い闇に落ちていった。

 

吐き始めたのは当時付き合っていた人がメールに

『具合悪くて吐いた』と書いてあったこと。

それを読んだ直後に自分も吐き、そこから止まらなくなった。

 

当時の私の心身は本当の自分とみんなに見せている外側の自分の

バランスが完全に崩壊していて

そのメールは

決壊直前だった私の心のダムに、最後に投げ込まれた小石だった。

 

私は壊れ始め、あふれ出した。

 

大学三年生。

みんなが一斉にリクルートスーツを身につけて就活の波にのまれていく中

私は家から大学までのトイレというトイレで吐き

下剤を飲んで激痛にうめきながらも太るのを恐れて

乗り継ぎの駅で不安に襲われて動けなくなり

家にできるだけ帰らなくていいように終電で帰り、始発でバイトに行き、

当然大学の授業には出られず

友達の家に泊まり込み

ギリギリの生活を続けていた。

 

そんな調子だったこともあり

リクルートサイトに登録はしたものの

一切企業に興味は持てなかった。

就活そのものへの違和感もあった。

なぜ、なんのために就職するのか?企業をみんなが目指すのか?

生きていくために、お金を稼ぐために、就職する。

その方程式が私には

さっぱり腑に落ちなかった。

 

就活しない、私にはできない。

それを悟った時、

私は自分が完全にレールの外に落ちた人間、

完全な孤独だ、友達とはもう同じ世界に戻れないと思ったことを

今も覚えてる。

 

自分が病気ではないかと意識してはいたけど

病院に行くことは恐ろしいことだと思っていた。

学内のカウンセリングに二度ほど行ったけれど

継続して通う気にもなれず、

その場しのぎに終わった。

 

泊めてくれていたゲイの友達に依存し

手帳を一分のスキもないようにバイトで埋めて

どうにかこうにか生きていた。

 

転機になったのは、

その年の終わり

友達が留学に行く間、私に激安で部屋を貸してくれたこと。

はじめての一人暮らし。

ようやく実家から出られる。

 

親とは大学に入学してからはあまりゆっくり会話することもなくなっていた。

当時、私はボランティアサークルの活動にのめりこみ

資料作りに大学に泊まることも度々あった。

 

一人暮らしをしたい、と言った私を

親は言葉では反対したけれど

もはや心が全く通じ合わなくなっていたことを

お互いにわかっていた。

私はいつだって私が決めたとおりにする。それだけは理解されていた。

 

大学3年生の終わり、

2009年2月最後の日に、

私は友達が運転する車に自分の最低限の荷物を詰め込んで

家を出た。

 

父が玄関で固い表情で『いってらっしゃい』と言ったかな。

母は部屋から出てこなかった。

あまり細かくは覚えていない。

 

ただただ、

これでようやく何かが変わる、

その希望だけが私の心を光で満たしていた。

 

期待に胸を膨らませて留学していった友達の置手紙が残された

大学近くの1Kの狭い学生マンション。

そこで迎えた朝は

私にとって新しい人生の幕開けだった。

 

つづくリボン