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TIFF6本目。CROSSCUT ASIA部門のタイ製作の『36のシーン』を鑑賞。


原題が『36』である通り、フィルム1巻が36枚ということから(らしいです。不勉強なのでその辺ちょっと分かりません...)着想された話で、1シーン1カットで構成された"36のシーン"(邦題はここから付けたんだろうな~)で構成された愛の記憶についての作品。


斬新な構成で面白かった。
画面が固定されてるから、人がフレームの外に行っちゃったりするんだけどそのまま映像を流し続けることでそこに存在する生活の音や空気はちゃんと掬い取られてた印象。

後場面が必ずしも繋がっているわけではないから、その間を想像するのが面白かったなぁ。Q&Aでナワポン監督が言ってた「各シーンを繋げるのは観客自身」という実験的取組は成功してたと思う。

面白かっただけに、去年のTIFFで上映された『マリー・イズ・ハッピー』も機会があれば観たいな~。



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TIFF5本目にして初のコンペティション部門以外の作品。ワールドフォーカス部門の今年のカンヌ国際映画祭「ある視点部門」の審査員賞受賞作の『ツーリスト』。スウェーデン、デンマーク、フランス、ノルウェーの共同製作。


5日間の休暇の初日。
スキーリゾートでランチを食べている夫婦と姉と弟、2人の子供の4人家族。その時大きな雪崩が発生。結局皆無事ではあったが子供を置いて真っ先に父親が逃げ出したことで気まずい空気が家族を覆っていく...というあらすじ。


いやー面白かった。
後から考えれば些細な(些細と言って良いのか微妙ではあるけど)ことで家族に生じる気まずさを豊かに表現した秀作という感じ。


夫トマスは自分が逃げたことをずっと認めない。妻エヴァはそれをずっと攻め、娘たちも異変に気づいている。


それでもずーっと認めないんだけど、中盤中年の男と風俗嬢のカップルの登場で変化が訪れる。
終盤のお酒のシーンやその後、夫が幼児のように泣くシーンなどはみっともないけどそれまで事実を認めなかった代償としては当然なのかなと。

家族4人が折り重なって泣くシーンは家族関係の崩壊の象徴でもあるけど、ここからの家族の再生(こんな簡単な言葉で表せることじゃないんだけど)を予感させる。


ラストシーンも父親の変化を感じられるし、これからの家族には明るい展開が待っていると期待させるものだったと思う。


面白い映画だった。


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去年のTIFFで観た『ルールを曲げろ』に続いてイラン映画。コンペティション部門4本目。


メルボルンへと旅立つ日にイラン人夫婦にある事件が起こる...というあらすじ。

ほぼ全てがたった1つの部屋で進行する密室劇なんだけど、緊張感が91分間ずーっと続いていたのが印象的。





以下多少ネタバレあり...

特に細かい描写が凄いし、最初についた"嘘"で夫婦がどんどん追い込まれていくのは観ていて辛かった。

不可抗力で事故が起きてしまったわけだけど、追い込まれて最後ああいうことをしてしまうのは...

どちらにしろ彼らには暗い未来が待っているんだろうなぁ。


・Q&Aにて・
予算が無かったからということと、監督が長編一作目ということでロケを沢山やるよりも一ヶ所でディテールを追求したとのコメント。納得だし成功していると思う。

また表現の邪魔になるからテイクはあまり沢山撮らなかったそう。いろんな演出方法があるんだな~。

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