それはある日突然起こった。
 

社内のあるフロアに行ったところ、ものすごい異臭がした。
だいたいの発生源はこの部署の一角の誰かということは分かったが、
特定はできなかった。
前からいる人はちがうから、最近入ったあの男かとだいたいの見当はついた。

数日後、どうも女らしいということになった。
彼女は我々のフロアにも来るのだが、彼女が去った後、「今まさにここにいた」
というくらいの残り香を放っていた。

においの種類は「海草系」だと思われる。

毎日発症しているわけではなく、臭くない日もあれば、猛烈に臭い日もあった。
そんな日は、汚染フロアのメンバーが他のフロアで打ち合わせをしていた。

ここで疑問に思われるのは、
20代の女性、しかも昼飯を一緒に食べる友人もいる、彼氏もいるらしいという状況下で
誰も教えてあげないということがあるのだろうか?
自分でも気付くと思うのだが・・・
(たまににおいフェチがいるから彼氏はそれに該当してたら問題ないかもしれない)

そういうことが2~3年続いて、ここからは人から聞いた話なのだが、
ある飲み会の席でのワキガのA子さんと毒舌のB課長との会話。
A子:「この前、うちで飼っている犬が鼻の病気で死んだんです」
B課長:「それはお前のにおいを嗅いだからではないか?」

この一言がきっかけ(かどうかは知らないが)で、最近は臭わなくなった。


また、うちの会社にはもうひとり強烈なにおいの取締役がいる。
香水なのか整髪料のにおいなのかわからないが、会社のビルの外に出て、そこに取締役が
いないのにそのにおいがまだ残っていることがよくある。
同じエレベーターになったときなど大変なことになる。
一体あの臭いは何なのか気になっている。