小学校の頃の話。

裏の家にチャーちゃんと呼ばれる茶色のメスのネコが飼われていた。
ネコとしてはスタイルも良く、長い尻尾を常に立てて歩き、品の良いネコであった。
オス猫どもが言い寄ろうものなら、ものすごい形相で怒り、蹴散らしていた。
美人にありがちななかなかキツイ性格の持ち主であった。
しかし、私とは仲が良く(エサを良く与えていたため)良好な関係であった。

小学校5年生の頃であったか、前の家にコロという犬がいた。
田舎だったので放し飼いで、よく我が家の敷地の中に入ってきていた。
ある日、そのコロが離れの土間の奥に入り込んでいった。
たまたま庭でチャーちゃんと遊んでいた私は、こいつらを対面させたらどうなるのだろうと
思って、コロの後ろにチャーちゃんを置いてみた。

チャーちゃんは「シュー、ウー」と低いうなり声を上げ、尻尾がものすごい太さになった。
ネコは怒ると毛を逆立ててすごい迫力がある。

不意を突かれたコロは、キャンキャンと悲鳴を上げて逃げるが、そこは行き止まり。
コロは立ち尽くし、そして、ジャーとおしっこを漏らした。

その後、コロはうちには来なくなった。
チャーちゃんは私が大学4年のころまで生きていた。
14,5年生きたことになる。

深夜受験勉強しているときに2階の窓の前に来て

「にゃー」と挨拶されたときは驚いたものである。