私の行っていた中学は周辺の4つの小学校を卒業した者が通っていた。
中学校に入ったとき、別の小学校で起こった伝説をいろいろ聞いたのだが、
その中でも特に強烈だったのが、この冗談のような事件である。

今はどうだか知らないが、私たちが小学校の時、給食のスープ類は、大きなバケツの
ようなアルミ製の容器に入っていて、給食係がそれをクラス全員に分配していた。
給食の準備の際、その容器のふたを外して床の上に置いていたらしい。

そのころ周囲でふざけていたM君は、片足ケンケンをしていた。
誰かが後ろから押したらしいのだが、M君は勢い余って、その給食のスープの入った
容器に片足を突っ込んでしまった。

周囲は大騒ぎになり、そのスープは廃棄することになったらしい。


そのM君の小学校の誰に聞いても、この事件の話は「あーあのスープに足を突っ込んだM君」
とすぐ返事が返ってくるところをみると、当時、相当な衝撃であったことがうかがい知れる。

牛乳をこぼす奴はたくさんいたが(うちの学校は紙パックではなく、牛乳瓶だった)、
スープの容器に足を突っ込んだ奴は全国探しても多くはないだろう。