この話は、結婚して間もない頃の話だったと思う。
妻は自動車教習所に通っていた。
私の妻は、昼間非常によくしゃべる。

その夜も寝ていたところ、横で妻がしゃべった。
「脱輪した・・・・ない・・・・」
寝言だとすぐに分かった。
どうやら、教習車を運転していて脱輪したようだ。

会話が続くのかという疑問が生じたので、聞いてみた。
私:「何がないの?」
妻:「機械がない・・・」
私:「機械って何?」
妻:「・・・・・」

2回目の質問には答えが返ってこなかった。
おそらく、ジャッキのことであろう。

翌朝、寝言で会話ができたことを報告したら、
寝言に話しかけるのは脳に良くないとか何とか言って怒っていた。

その後も何度か寝言のたびに話しかけてみたが、
会話が成立したことはなかった。
 

しかしながら、寝言でも会話が成立することが分かった。