ベルサイユのばらといえば、世代を超えて読み継がれる普及の名作。
連載当時なんて遺伝子レベルでも存在していなかった若い子が現在も読んだり、
翻訳されて外国でも販売されていたり、
(そしてフランス人からは”なんでマリー・アントワネットがこんなかわいい&悲劇の王妃扱いなん?”、
”日本人がフランスの歴史のなかでやけにフランス革命にだけ興味津々なのはこれか”と言われたり)
少女漫画史に燦然と輝く作品であるわけです。
ちなみにえびくんも読んでます。
読んだうえで、作品自体は面白いが……
「マリー・アントワネット美化するのやめてほしい、革命を潰そうとしたスパイやで」
「フランス王室に何年経ってもフランス語ができるようにならないって、王家にあるまじき頭の悪さ」
「しかも、晩年デb……」
という感想を……って、おおい、ちょっと待て、最後のは何だ!!
綺麗じゃん、マリー・アントワネット、「バラを持つ王妃」の絵とかさ!
↓これ
しかしえびくん、
「いやそんなん、画家が全力フォトショップかましてるにきまってんじゃん。
実物はこれの3倍くらい横にデカかったと思うね
王家の肖像画なんて命がけで描いてるんだから、そりゃあフォトショくらい朝飯前だよ」
と……
ええ……そんないぢわる言わんでも……
しかしえびくんの口撃は止まず、
「しかもその画家のフォトショップでも消しきれないこの鼻の存在感!
いやあ、実物はブ●だと思うよ。しかも頭悪いでしょ、救いようがないね」
って……あ、あんた、悲劇の王妃に向かって何たることを……
アントワネット様に向かって数々の狼藉、ゆるさーーーーん!!
と、ベルばら好きの私は思ってしまうわけですが……しかしこれ、えびくんだけの話ではないのです。
大抵のフランス人はアントワネット様(もう敢えて様づけでいく)を良く思っていないか、
もしくは「アントワネット……?ああ、革命で首切られたひとか」くらいのうっすい印象だったりする。
フランス革命もじっくり勉強するとのことだけれど、
それによってフランスがどのように世界に影響を与えたか、
現在の国のあり方にどう作用したか、という方に重点が置かれていて、
ルイ16世とマリー・アントワネットに関しては、
「革命勃発当時の王様でした。ギロチンで首切られました。終わり」程度の扱い。
ただ、マリー・アントワネットが
「母国にフランスの情報を流す代わりに身の保護を求めた。革命を阻止しようとしたスパイ容疑」
ということで、壮絶に嫌われていたりするそうな。
それでも「ベルサイユのばら」はフィクションとして面白い、と言うフランス人たち。
それはそれ、これはこれ、的な?
えびくんも完読して、何故か他のフランス人に薦めていたりします。
「日本人がなんでフランス革命が好きかわかる本」という体でw
薦められた側も「読んでみるよ~」というものの、
大抵あらすじ説明のところで引っかかりを覚えるらしい。
ん?とフランス人(特にフランス男子)が思うのは、
「オスカル様がジャルジェ家の六女として生まれて、男として育てられる」というところ。
生まれる子供皆女の子!はあるあるだとしても、
「いやあ……王家を守るレベルの貴族でしょ? どっか他でざくざく子供作って、
しれっと”息子生まれましたぜ~”って言うでしょ。当時の貴族なら。っていうか、フランス男なら」
だそうな。
ううむ、それじゃのっけからベルサイユのばらの話が成り立たなくなってるw
そしてオスカル様のトレンチコートの話にたどり着けなかったw
つづく。