あれから20年 | studioNAOの記録

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2度と戻らない瞬間を記録しよう。

あの日、なぜか朝早くに目が覚めた。
目覚まし時計を見ると、5時40分。

ふとカーテンのほうを見ると、何か外の色がおかしい。
起き上がって窓の方へ行き、カーテンを開ける。



・・・空が紫色だった。




え?と思い、ベランダに出て空を見上げる。
そこには、今まで見たことも無い巨大な満月があった。

唖然としながらも、寒さで部屋に戻る。

布団に戻り、もう少し寝ようかなぁなんて考えていると、遠くの方から何か音が聞こえる。



ゴゴゴゴ


だんだん音が大きくなってきて、起き上がろうとしたその時でした。


あ、地震だ。

揺れ始めてまもなく、突き上げる衝撃。
上から色んなものが落ちてくる。

立ち上がるどころか、身動きすら取れない。

どれくらい揺れていたかはよく覚えていない。
とにかくそれは恐ろしく永く感じた。

家の棚にあったものは全て足元に落ちていた。
家の中で靴を履いた。

壁はひび割れていた。
電気・ガス・水道は全て止まっていた。

テレビもラジオもつかないので何も情報がない。

僕はとりあえず学校へ行く用意をしていた。
しばらくしてガスが復旧した。

台所のガスコンロで暖をとる。

そのうちに電気も復旧した。
テレビをつけて、固まった。



なんだこれ・・・



そこには想像すらできなかった、変わり果てた神戸の街が映っていた。
阪神高速は傾いて倒れ、火の海となった街。



当時通っていた高校は二つに割れていた。
父親の会社は全焼していた。



トイレの水を確保するため近くの小学校のプールに行き、緑色になっているプールの水をバケツに汲んで帰った。
飲み水をもらうために、6時間並んだ。




あれから20年。