大学2年の夏である

 

人生のなかで最も自由であろう大学生の4年間

 

2回目の夏を屋内で過ごすにはちともったいない

 

ということで、リゾートバイトに行くことにした

 

ホテルや旅館で住み込みでバイトするやつ

 

 

最初は沖縄や北海道で青春ブチかまそうと思っていた

 

キラキラした夏を過ごすのだ

 

しかし夏休み直前で髪の毛を真っ青にしてしまったせいで

受け入れ先が全く見つからない状況になってしまった

(もうちょい濃い青だった)

 

探しに探して

結局唯一受け入れてくれたのが、長野の山奥の某ホテルだった

 

まあ働けるならなんでもアリか^^と思い契約をした

 

 

 

7月15日、東京駅を出発

新幹線の指定席で快適な旅をするのだ!

と最高の旅の始まりを確信した矢先に目に飛び込んできたのは

 

俺の席に座っている薄毛のおじさんであった

 

 

おいおいおい

 

そこ僕の席なんですけど。指定席料(300円)払ってるの僕なんですけど。

 

髪の毛がなくなったら良心もなくなるのか?と思いながら声をかけた

 

俺「すいません。僕の席だと思うんです、そこ」

 

薄「いや、私の席ですね」

 

ほう、この薄毛、私と一戦やろうってのか

 

私「いやー僕の席ですよね」(座席表見せ ドヤア

 

後ろの席のおじさん2 「あ。君一時間早いの乗ってるね^^」

 

 

 

ああ〜おじさんごめんなさい あたまが寒けりゃ懐も寒いんかとか思ってごめんなさい

 

幸いおじさん2の隣が空席だったので座らせてもらうことにした

 

 

そうして無事長野に到着

 

だがホテルへの直行バスの時間を見誤り、遠回りの長野電鉄で2000円かけていく羽目になった。

ここまでやらかしすぎである。

 

湯田中駅で降りて、バスに乗り込んだ。

外国人観光客が2,30人ほどいた。

 

 

 

目的地のホテルが山奥のため、バスは延々と山を登っていくスタイルだったのだが

乗客は私と現地の小学生の二人のみだった

 

山道を延々と進むバスは、東京の人でごった返しているバスとは対照的。

お父さんの車で旅行先に向かってるときの、少年頃のワクワク感があった

夏はじまるーーみたいな。幻想的ですらあった。

 

 

 

小一時間ほどしてホテルに到着した

係の人に施設を案内してもらった

 

肝心の寮はいい感じに年季の入った小屋みたいな感じだった

どうやら寮に住んでる人は、台湾人やネパール人、インドネシア人など

日本人の方が少数派のようだった

 

山奥なのでマジでホテル以外何もない

自然に閉じ込められてしまった。

最寄りのコンビニは徒歩五時間らしい

 

部屋は二人部屋だが、ルームメイトが今はいないので一人部屋だ

テレビがまさかのブラウン管でテンションが上がった。使わんけど

 

部屋の窓の向かいが崩壊寸前の廃墟なのが、また雰囲気を出している

廃墟に怨霊がいそうなので、夜は窓をあけることはできない。不便だ。

 

ご飯は1日500円で食べることができる。

ホテルのシェフ補佐みたいな人が作ってくれるので割とうまい

 

夜になったので寝る準備をすると、

敷布団が薄すぎることに気づいた。

 

なのでもう一つのベッドの敷布団を重ね、

電気を消した

 

 

無音と真っ暗の世界で

ああ、やべえ労働生活がはじまるなあと実感した

7/15~8/20 までの山奥労働生活の開幕である。