技術士をとってよかったこと。


これは、金の話ではない。

資格といううまみでいうと、技術士はかなり利用価値の低い資格といえると思う。
少なくとも、弁護士や税理士に比べて、ビジネスに組み込むのに苦慮する。


ただ、最近、よかったと思えることがある。
それは、大学院の修士論文を書く際の話だ。

資料取り寄せとか、取材を申し込むとき、
今現在、給料を得ている会社の名前を出したくない。

一度、個人負担で勉強会に参加したときも問題となったし、
その後は、私が年休を取ると、また隠れて勉強しているのではないかと、
一生懸命、インターネットでめぼしい講習を探し、プリントアウトして詰問してきたものだ。

私はそのたびに、これは個人で行っているもので、
会社組織とはまったく関係なく、それゆえ特別扱いを要求する意思もなく、
勉強という「ガイアツ」を元に、社内で影響力をふるい、
現状を変更する意思は毛頭、ございません。

今まで何度も、そんな釈明せねばならなかった。

ああいう、わずらわしい状況になるのがいやなので、
試験も大学院も、会社にはいわずに置いたが、
修士論文を書く過程で、各種学会の入会や、組織にアクセスする際、
やはりどうしても、現時点の所属を明らかにせねばならないときはある。

そのうちの一つから、今の会社に照会が来たらしい。
この研究行動は、会社組織とはまったく関係ありませんと、
訪問先には何度も念押ししといたのだが。


やばいなー。(笑)


しかし

以前なら、説教部屋に呼び込まれて、
いろいろ言われたものであったが。

今回はあまり何もなかった。
プライベートな行動であり、すべて休日の行動であり、
これをもって特別待遇の要求や、組織の現状を変更する意思は毛頭ありません。
それを繰り返すことで、あっさり放免された。

まあ、社内評価的には、また黒丸がついたのだろうが、
それは今さらだ。(笑)



いやしかし、不思議なものだ。

技術士(情報工学/総合技術監理)

という肩書きがついた。それくらいしか、状況は違っていない。
しかしこれ、社内的には無価値だ。まあそれは他の資格も同じだが。

なのに、ほぼお咎めなし、基地外呼ばわりもなしというのは、信じられんくらい寛容だ。

うちの会社は、頭がどうかしたんではないか。(笑)



とりあえず、会社と無関係という立場をとる限り

勉強も研究活動も、咎められることはなくなったと見ていいだろう。



これが技術士という資格のおかげだとするなら

技術士様様である。




(追加)

もうひとつ、良いことがあった。

名刺だ。

会社の肩書きの名刺は、まわりまわって上司に照会されるので、使いたくない。

しかし、おかしなもので、所属組織名がないと、名刺というのは微妙に間が抜けている。

少なくとも、私はそう思ってしまうのだ。



で、技術士 パパスと名乗った名刺をつかっている。

いやパパスじゃないけど。(汗)

これがITストラテジストとか、システム監査だとかだったら、

会社名の代わりにならんだろうなと思うのだが。

まあ、気の持ちようかもしれないが、名刺に刷れるだけでも技術士になっていて良かった。