この話題は、あまり真正面から取り扱った人がいません。


しかし、ときおり話題になっているので、いちど書こうと思っていました。


技術士の中では、当たり前すぎて、誰も書かない。


そんな話題です。一回で書けるかな。(なんか文体がいつもと違うな(w))





お題。


技術士(情報工学)は、情報処理技術者試験と比べて簡単である。



ネットで、ときおり、自称技術士によって語られるこの話題について。


まず、結論を書きます。




嘘です。(笑)




情報処理技術者試験に合格するのが、簡単だとはいいません。


易化したとはいえ、未だに13%程度の合格率。


つまりは、9割近くが落ちる試験ですから。


これが簡単だと言い切ってしまえば、落ちた人の立場がない。





しかし、現状、



技術士(情報工学)受験は、情報処理技術者試験の高度区分に合格していることが前提




そう言い切って、ほぼ間違いない。


そんな試験なのです。


別の言い方をすると、




技術士(情報工学)試験は、情報処理技術者試験の高度区分やベンダ試験の複数合格者同士が、論文内容の優劣を競う場なのです。




IT資格試験における、

事実上の最終決戦場が、

技術士(情報工学)試験



なのですよ。



そういう激戦をくぐり抜けて来ているわけですから。

情報処理技術者試験の方が難しいと感じる技術士(情報工学)は、試験の構造上、ありえないと思っています。


そんな技術士、いるのだろうか?



うーん。



いないとは言いませんが。


まあ研究者としてのバックボーンもつ人くらいじゃないですか。


博士号(工学)持ってて研究一筋、情報処理技術者試験なんか興味もありません。


そんな人くらいでは。


ふつーの技術者人生歩んできた技術士なら、高度区分やベンダー資格が難しいと感じることは無いはずです。







まず、なんでこんな事を書くに至ったか。



それは、某掲示板を見たからです。



「俺は技術士(情報工学)だけど、高度区分に受かる気がしない。」




ぶほあ。(吹)


Σ(・ω・ノ)ノ!!




いや、実際に吹いたわけではないですが。心理描写ね。


すぐに書き込みしようかと思いましたが、相手がどんな人かわかりませんのでROMりました。


読んでいるうちに分かったのですが、この人は自称技術士でした。(だろうと思います)


いや、まあログ探して、この部分が嘘であるから~自称と判明した。


な~んて分析はしませんけども。


かかわるのがイヤだったので、それきり忘れました。





で、今、すこしヒマになって (いや他人からは忙しそうだと言われますが)、


いろいろとネットをあさると、決して多くはないんですが、そういう書き込み、ときにあるんですね。



技術士(情報工学)のブログをいくつかみますけど、私を含めて、技術士(情報工学)が情報処理技術者試験より簡単だ、なんて意見はないんですが。


匿名掲示板だと、そういう意見表明する合格者(自称)が、うようよでてくる。


いや、これは技術士に限った事じゃなく、ITストラテジストや、他の資格についても、似たようなものはあるようです


高位資格が、実は簡単だという書き込みは、アンダーグラウンドで妙にはやるものらしいですね。



Wikipediaにも、なんだか今年の夏くらいから、妙な記事(情報処理技術者試験との関係) が追加されているようですし。


結局、どういう関係だと言いたいんだか。


この記事を書いたひとが、両者の関係について、よくわかっていないことだけは、よくわかります。




こんな風なことがあるんだよ~。


と、嫁に話題を振ると、「時間の無駄だからかかわるな」とのお達し。




うーん、私もそう思う。


読んでて分かるけど、おそらく合格者って、資格の難易度とかの話題に、ほとんど参加していない。熱心なのは非合格者ばかりなのだろうなと。


また、そういう話題が、いわば、非合格者の「ガス抜き」になっている側面もあるかな。とも思います。


合格者が話題に入って、いろいろ論争するのも、興ざめなのだろうなと。





ただまあ、そういう情報ばかり拡散しても、問題だろうとは思います。


なもんで、このような話題を書いてみることにしました。




ああ、長くなったので、詳しい話は、次回にまわすべきか。書くかどうか気分次第ですけど。




では、最後にひとつだけ。


これも某ネットで、



「俺は技術士(情報工学)の情報ネットワークを持っているけど、テクニカルエンジニア(ネットワーク)」の方が難しいよ。」



てな、書き込みがありました。私もネットワークスペシャリスト持ってますが。


あほか。


ってな感じでした。


なぜか。


ネットワークスペシャリストくらい、技術士(情報工学)の情報ネットワークに落ちた人でも持っとるわ!



ってのが、その理由です。


(要は、ネスペ合格できない人は、そもそも技術士に挑戦しないってこと)

(ネスペ合格は、情報ネットワーク受験の、ほとんど前提条件となっている。)



いや、この人が超絶に実力がある人だったら、細かくいろいろ聞いてくる情報処理技術者試験の方が、うざくて難しいと思う可能性は、なくはないですが。


あのなあ、細かくいろいろ聞いてくる情報処理技術者試験の方が、試験としては楽なんだよ。


勉強して覚えりゃいいだけだから。


(思わず力説。)




え~。


技術士試験が難しい、その一番の理由は、


① 受験者全員が高度区分くらい余裕で合格する実力の持ち主で、


② ①の中で、論文内容の優秀な上位10%程度のみが合格できる。


そういう点にあります。




ネスペに合格する。それは凄いことです。


しかし、周りも全員ネスペです。当然、ベンダー資格もてんこ盛り。


しかも技術士(情報工学)に駒を進めるほどの実力者がそろっています。


そういう人たちの9割をふるい落とすのが、技術士(情報工学)試験です。




経験年数7年以上で、社長の承認を得てからでないと、受験すらできない技術士試験です。


その条件をクリアした人だけが、受験者になることができるのです。


そういうレベルの人たちが、全国から集まるのです。



「ネスペもCISCOも楽勝です。業務もばりばりこなしてます。


 ここはいっちょ、技術士(情報工学)に挑戦します。社長、判子ください。」



そんな人でないと、普通は、社長は判子を押しませんよ。

ネスペやベンダー資格に合格できないような情けない技術者に、社長が判子を押しますか。


いい加減にしろよ、それよりネスペくらい合格しろよ。


と言われるのがオチだろうと思いますが。




そうして、社長の判子をもらった人だけが、受験しにくるのです。


当然、それぞれの会社の中では、社長が頼りとするような、実力を持った技術者です。





そういう猛者が集う中で、さらに上位10%に入る自信がありますか。





正しいことを書けばいいんだろう、とか思ってませんか。


正しいことなんか、みんな書いてるんです。


受験会場で、提出される答案は、遠目に見ても皆、みっちりと精密にかかれています。


図や表を用いる人も珍しくありません。


これが情報処理技術者試験なら、余裕で合格できる答案を、受験者はみんな書いてるんです。


全員、そんなレベルは、既に通過しているんです。(By 烈海王)


さすがに2000年前じゃないですけど。そんなレベルじゃだめなんです。




情報処理技術者試験なら合格間違いなし。


そんな答案の中で、さらに内容の優れた上位10%だと認められないと、合格できないのが技術士試験です。



そういう論文、確実に書けるでしょうか。


そして、そういう試験が、情報処理技術者試験より楽でしょうか。


そんなことは、まずありえません。



試験の構造上、技術士試験が、情報処理技術者試験より楽ということはありえない。


私がそう結論している理由です。



まあ、とりあえず、今日はここまで。