さくら…小松菜奈の凄味を感じた。
この映画は、いろいろな意見があるだろうなあ、と。家族ものだから、物語の進行がどうしても単調になりがちだしねえ・・・。西加奈子ワールドですもんね。長男、一。次男、薫。長女、美貴。そして父と母と犬のサクラの物語。原作のように、サクラを擬人化して、サクラの心の声なども表現しても良かったのではないかとも思う。エンデイングは、やっぱり、”トップ・オブ・ザ・ワールド”でお願いしたかったなあ。薫の携帯の着信音だし・・・。小さい頃、母が口ずさんでいた~。というエピソードもあるし・・・。(これ、原作ね)家族の中心にサクラがいて、常に尾っぽを振りまくり、寄り添う姿勢に家族のだれもが心を和ませるのだ。おまけに長男、一の彼女矢嶋さんもサクラと接するにつれて、だんだん表情も柔らかくなり、打ち解けている。そして、神様とボールに話も。どこか、感じるところがある。一は、神様は、とんでもないボールばかり投げる。打たれへん。手に負えないという。サクラは、どんなボールを投げてもそれを無邪気に追い、それを加えて持って帰ってくる。薫は、”神様はいつだって打てないボールは投げてこなかった。ボールを投げ続けていたのは僕らだったんだ。そのたびに受け止めていたのが神様だ。”と言っている。一は、運命には逆らえないというような受動的な考え方で、薫は、どちらかというと、自分の気持ち次第というような能動的な考え方を持っていたようだ。そして、サクラは、そんなことお構いなしに、無邪気に戯れる。そして、どんな相手にも尾っぽを振り続ける。