NYに行く前、NHKのアクターズスクールという番組のケビン・スペイシーがゲストの回を見ていました。最後にアクターズスクールの生徒達からの質問があり、とても顔色の悪い役者志望の男性が伏し目がちに「僕たちのこの、報われない下積み生活をどう生きればよいのでしょうか?」と質問していました。母は「NYには役者志望や作家志望、たくさんの夢追い人がいるけど、みんな、大変そうやなー、あんたはほんまに、そんな大変なことをするの?」と言いました。「誰も見ていなくても、道ばたでパフォーマンスをしているだろう」というアクターズスクールの先生の言葉に、母も私も「しんどそうやなー」としか言えませんでした。


キラキラ☆ニューヨーク-舞台


覚悟してNYに行きましたが、イメージと違っていました。みんな夢を追いながらも、その過程を楽しんで輝いて生きていました。たまたまお世話になったUCBシアターには本当にたくさんの人が夢を持ってやっていきます。厳しいエンターテーメントの世界ですが、たとえ、オーディションに受からなくても、発展途上の自分を肯定的に受け止め、友達どうしでインディーのグループを作り、個人レベルでショーをやったり、自主制作フィルムを作ったりしています。みんな明るく、自分に誇りを持ち、堂々としていて、オーディションに受からない、いろんな失敗や壁をものともせずに「私は、今はインディーよ」と言ってる姿に心打たれました。誰もそれを「報われない下積み生活」とは思っていません。そんなシアターで、みんなの影響を受け、私もいろんなことに挑戦しました。そんな中で、いろんな人に出会い、その過程の中でとても楽しく、充実した日々を過ごしました。

キラキラ☆ニューヨーク-舞台うら

熾烈な受験戦争や就職戦線、そして、仕事についてからも目に見えない競争社会を生きてきた私は、成し遂げられないことや、失敗はとても恥ずかしい、と思っていました。だから、挑戦することや、自分のことをあんまり人に言いたくなかったし、喜劇作家になりたいけど、デビューも何もしていない自分のことをなんだか卑屈に思っていた時もありました。でも、ニューヨークに来て、こんなすがすがしい若者達に出会い、発展途上の自分をポジティブに受け入れることができました。自分の脚本を映画にすることは、そうたやすいことではありません。大きな夢だけど、ショートフィルムだったら自分で撮れるし、コントだったら、自分で演じてお客さんに見てもらうことができる。何も、誰かが、自分の脚本を映画にしてもらうまで待たなくても、自分のやりたいことは、今の自分のレベルでできることがわかりました。表現者として、自分の表現を追求していく姿勢も持てました。一番大きな夢が叶わなくても、それができる喜びを知りました。


このブログを読んで頂いた方に感謝致します。こんな人もいるんだ、と思って、勇気を持って頂けたら幸いです。私もこれから、自分のやりたいことができなかったり、うまくいかないことなんて、たくさんあるでしょう。でも、自分が表現したいことがある限り、どんなに小さくてもそれを表現していきたいし、ニューヨークのスピリット「インディー!だから」と堂々としていたい。そうやって、挑戦していく中で、いろんな人と出会い、いろんな思いを知り、自然と人生のおもしろい道ができていけば、と思います。いつか、自分の一番の夢が叶えられればという、期待を持ちながら。

そんなことを教えてくれたニューヨークに感謝の気持ちでいっぱいです。ブログは「キラキラ☆ニューヨーク」ですので、このブログは今日でおしまいにします。読んでくださった方、本当にありがとうございます。NYでの経験を生かして、人に勇気を与えられるようなコンテンツをいろんな媒体を通して表現していくために、これからもがんばります。落ち着きましたら、違うチャンネルでブログを始めたいと思っています。

ありがとうございました!!!





日本に帰って来て、メールを見ると、知らない人からメールが来てました。といっても、UCBシアターの先輩からですが、とても大きなシアターなので、まったく聞いたこともない方でした。私がアップしているビデオを見て「私たちはこのビデオのビッグファンです。とてもおもしろいので、次に作るビデオプロジェクトにアイディアを出してほしい」とのこと。今は日本にいるので、会うことはできませんが、光栄なことなのでメールか何かでお役に立ちたいなと思っています。

それにしても、知らない人が、シアターで私のメールアドレスを調べてくれて、メールしてくれるのはうれしいです。私がビデオをアップしているサイトはYou Tube以外に、シアターがオリジナルで持っているUCB COMEDYというもので、たくさんの人がこれをきっかけに映画に出たり、いろんなチャンスをつかんでいるサイトです。インターネットの時代、こういったとこから、仕事のオファーがきたりするのだそうです。私もこのページをもらえた時はとてもうれしかったです。よかったら、私のシアタープロフィールと今回の先輩達が気に入ってくれたビデオをご覧ください。これは、スクールの宿題で、2時間くらいで部屋で撮影、編集は地下鉄の中でした、という即席の作品です。

プロフィールはこちら。作品が気に入ってくださった方で、何か作ろうと思っている方、ご連絡ください!コメディの脚本を書きます!

http://www.ucbcomedy.com/talent/view/935

2年半ぶりに両親に会って、おいしいもの食べてリラックスしています。母は、本当におもしろい人で、NYでの生活でシアター以外のエンターテーメントはスカイプで母と話すことでした。私がピンで何度か舞台に立った時のネタの最終確認をしてくれたり・・・記事もおかしい所は訂正してくれます(笑)私は母が世界一おもしろくて頭がいいと思っている子供です。でも、父にとても感謝しているのは、私が母とネタ合わせをしているときに母が「芸者のネタは下品になるから、あかんで」と私に忠告しました。そのとき父が横から、「お笑いのネタにあかんことは何もない、敦子がやりたいネタをやればいい」と言ってくれたことです。こんな父、どこをどう探してもいないでしょう。そのお笑いネタが一段落した後は、まじめな記事を書くために、一眼レフが必要だという娘に、一眼レフを買ってくれたのでした。

お父さん、お母さん、ありがとう!!!

久々の実家と故郷はとても青空がきれいで風が気持ちよくて、いいなーと思いました。NYへ行って、お笑いシアターでコントを作っている時にいつも思い出すのはこの故郷でした。私は小学校、中学校がとっても楽しく、それこそ学芸会でコントをしたり、ダンスをしたりみんなの指揮をとるおてんばで、コントを作るときにドリフみたいにおばちゃんの笑い声を入れないといけないから、近所のおばちゃんを集めて、笑い声を録音したりしていました。だから、NYでコントを作っていた時、幼少の頃の時とやってることが全く同じで、水を得た魚のように童心に戻っていました。あの時、のびのびと楽しい子供時代が送れたことに感謝です。

キラキラ☆ニューヨーク-我が家

中学校の頃の臼井先生、中川先生はどうしてるかなー。英語の臼井先生は、私が奈良公園の遠足で外国人を見つけ、習い立ての英語で「This is a pen」と話しかけたことを、クラスでほめてくれた、少し変わった先生です。お調子者の私はすっかり舞い上がり、英語の勉強が好きになりました。ほめられて、おだてられて育つタイプだから、ガツンと頭打たないと学べないけれど、でも、先生にとても恵まれた子供時代で、今、NYで作ったコントを先生に見せたい気分です。

そんな、私をあたたかく見守って育ててくれた故郷で少し一休みしています。写真はリフォームして、壁がオレンジ色になった我が家です。この近所でひとつだけ日焼けした家みたいになっていて、変わってますが、母はスペイン風の小屋をテーマにした色だと言い張ります。この変わった壁の色でピリリと辛い山椒のようなスパイスを近所にきかせたかったそうです。この親にしてこの子あり、と思ってしまいました。