今日は中日ということもあり、街角にはスーツに身を包んだ新卒の若者が忙しそうに歩いていました。

私は休みで、朝からの用事が済んだこともあり、カフェでコーヒーと煙草を楽しみながら思いに耽っていました。

読んでいた本や街角にいる若者とがリンクしたのでしょうか。ふと学生の頃にとある講演で聞いた話を思い出しました。

話しの舞台は戦時中です。

特攻隊を指揮していた藤井中尉という方は、自分より遥かに若く、夢溢れる部下が次々と敵艦に突っ込んで逝くことに責任を感じて、上官に

『私を特攻隊にしてください。』

と志願したそうです。

だがしかし答えは不可。理由を聞いてもとにかくダメなものはダメの一点張りだったそうです。

ダメな理由を裏で聞いて回ると、妻と子供が二人いるからだそうです。

自分は、女も酒も煙草も経験し、妻も娶り子供を授かることもできた。
自分は幸せであるのに、部下達は何も知らず何も経験していないのに若くして空へと飛び立つ。

代わりに飛び立ちたい。だが許可が下りない。

しかし妻と子供は可愛い。
その矛盾との葛藤に毎日頭を抱えていたそうです。

それを知り、横で見ていた奥さんはある決意をし、それを実行しました。

ある日、藤井中尉が家に帰ると机に一枚の紙が置いてあったそうです。そこにはこう書いてありました。


『先に行ってます。思う存分、自分をまっとうしてください。』


藤井中尉の奥さんは子供二人を抱えて荒川に入水自殺をされたそうです。

再び志願し許可をもらい、藤井中尉は奥さんと子供の顔を思い浮かべながら、紙を握りしめ、大空へ飛び立っていったそうです。


中には、出撃直前に子供が生まれ、電話で泣き声だけ聞いて死んでいった方もいらっしゃいます。



私はこの話を聞いて涙と震えが止まりませんでした。

生きれることが当たり前でない時代に、人の為に命を捧げることがどれほどのことなのか。正直想像もつきません。

ただ、戦時中でないこの平成において、当たり前のことが出来ない人をみると腹が立ちます。

働かない、やる気がない、甘える、マナーを守らない、何かのせいにして逃げる、楽をしたい。

そんな偉そうなことを言って自分を正当化して怠けることは許せません。

戦時中の若者は、魂を燃やしながら、命を懸けて人生をまっとうしました。

61年後の私達に同じことができないはずがない。

その力を正しいことに使えばもっと明るく楽しい人生に又、社会にできるのではと思います。


がんばること。人に優しくすること。社会に貢献すること。大きな人間なることは、特別なことではなく当たり前のことだと思います。

そう思えば自分のいるステージを一つも二つも上げることができますし、自分がなれる最高の自分に一歩近付くと思います。

まずは、これから生まれてくる子供達の手本となる人になり、そして日本を世界の見本となる国にしていきたいと思います。



日本が世界中から笑われるのも、馬鹿にされるのもいい加減うんざりだ。


必ず誇りを取り戻す。


歴史を遡れば、日本も日本人も尊敬される存在だったのだから。