トランプ氏の驚くべき選挙の勝利について、日本の友人たちからも、ニューヨークは今どんな感じ?と聞かれることが多い今日この頃です。
アッパーウエストの静かな日曜日の午後。手前のSan Remoは、マンハッタンでも有名な超が付くほどの高級アパート。
アメリカメディアも毎日、トランプ氏の動向や頑強な警備が行われているトランプタワー周辺の様子を報じています。
最近まで反対派のデモも激しく行われていたトランプ氏の住居がある5番街は、そうそうたるブランド店が軒を連ねる観光地のメッカでもありますが、このご時世、何があるか分からないので、選挙以降近寄らずにいました。
先週金曜日、用事があって久しぶりにトランプタワーの近くに行ったのですが、トランプタワー周囲のブロックには、夜遅い時間でも警官がうろうろし、異様な雰囲気でした。まるで見分けはつきませんが、私服警官もたくさんいるようです。
そして、パレードの時に使われる柵も常設となっているかのように、歩道と車道の間を塞ぎ、一部の道は常時通行止めとなっていました。
第三の党から大統領選挙に出馬していた候補が、全米中から募金を募り、スイングステートと呼ばれる民主党、共和党どちらのお膝元でもなく、毎回選挙結果を大きく左右する州のうち3つの州での票の再集計を求めました。
全く証拠はないものの、ロシアのスパイが集計を左右したかもしれない等々、様々な噂が渦巻いたことが再集計を後押ししたそうで(ただし、この申請には莫大なお金がかかるため、全米中から募金を集めたのです。)、今週から再集計が始まるようです。
今回のトランプ躍進の原動力は、工場の海外移転やIT化により仕事を失ってしまった田舎で暮らす低所得者たちと言われていますが、成功している白人有識者層の中にも、トランプ支持派はわりといたと言われています。
メディアはほぼヒラリー支持、中流階級の人もヒラリー支持のため、テレビやフェイスブックのようなSNSはそろって「トランプ氏の大統領就任なんてあり得ない」という論調で、トランプ支持派の白人有識者層は鳴りを潜めています。こうしたことから、彼らは「隠れトランプ」と呼ばれています。
NY在住歴が長い日本人の知人によると、その方の友人でビジネスで成功しているアメリカ人の知識層はほぼトランプ支持派だったそうです。
自分の利権を重視し、ずる賢いヒラリーさんに嫌気がさしたことによる決断だったそうです。また、閉塞した社会の変革を求めていたのでしょう。
NY在住歴の長い日本人の方のブログを見ていると、アメリカ人は政治について公の場で話題にしない、とありますが、たぶんそれは大金持ちの一部の層のことなのではないかと思います。
私の周りの一般人は、アメリカ人、日本人、他の国からの移民を問わず皆、今回の件どう思う?とこの1ヶ月はその話題でもちきりです。