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昨晩この本を読みました。

買ってはいたものの、
絶対泣いちゃうだろうなと思って、
なかなか手に取れなかったのですが、

昨晩、ふと、「読まなきゃ!」と思い、
直感に従って一気に読みました。


そして、やはり。

大号泣。

涙を流すこと無く、
読み進めることはできませんでした。



著者の佐々百合子さんは、
大学の先輩。

卒業後に、
共通の知人が主催するコミュニティで知り合いました。


Facebookを通じてお互いの近況を
キャッチアップしているので、
そんな気はしないのですが、

最後に会って以来、
実は10年近く経っていたことに驚いています。


百合子さんは、
3度の出産をされていますが、

2番目のお子さん、尚くんは重い障がいを持って生まれ、
2年3か月でその生涯を終えています。


この本には、その2年3か月の間、
想像し難い困難な状況下で奮闘したことの記録と、
百合子さんが感じた素直な気持ちが綴られています。


本当に素直な気持ち。


・主治医からの話を聞いて真っ先に私の頭をよぎったのは
 「尚くんのような弟がいて、姉のMは将来結婚できるだろうか。
 苦労しないだろうか」という漠然とした不安だった。

 病院で赤ちゃんを赤ちゃんをかわいがる様子を見せている私は、
 あくまでそう振る舞ってるだけで、
 尚くんが可愛いという思いはあまり抱くことができず、
 ただ可哀想に思うだけだった。



・親であれば、子どもの成長を願い、
 自分よりも長く生きることを望むのが当たり前だと
 思っていた頃のことが懐かしい。
 よく、一番の親孝行は親より長く生きることだというけれど、
 尚くんが生まれてから1年ほどの間、私はそうは思えない世界にいた。


・きっと深い意味もなく善意で言ってくれているはずの
 「あなたがお母さんだから選んで生まれてきた」とか
 「障がいを持って生まれてくる子は、それを受け入れてくれる家にしか
 生まれてこない」というような言葉は、
 何だか自分だけが別の世界に行ってしまったようで
 実際はあまり嬉しい言葉ではなかった。



わたしも同じ母ではあるけれど、
経験したことが無い気持ち。
また、想像することも、共感することも難しい気持ち。

第二子妊娠中の妊婦さんのしあわせな日常が、
急なお腹の張りから、緊急帝王切開になり、
重い障がいを持った子どもが生まれ、
生活が激変してしまうなんて。


この本のあとがきは、

「人生なんて、石ころ一つでひっくり返るものだと、
私は30代後半にしてい初めて深く思い知らされた。」


という一文から始められているですが、
その「石ころ一つ」という言葉が印象深すぎて、
頭から離れないのです。

わたしだって、
いつ「石ころ」にぶつかるか分からない。
この先、いつ、どこで、何が起こるのか。
それは誰にも予想できないし、誰にも分からないこと。

でも、何が起きるか分からないからといって、
常に何かを恐れ続ける必要もなければ、
常に何かのために準備し続ける必要もない。

この本を読んで、改めて感じたことは、
自分の人生を真剣に生きよう、ということ。

今、自分がおかれた環境に
欠落感や不満を感じるのではなく、
また、奢りを感じるのではなく、
今の環境に感謝すること。


何となく過ごして、
何となく生きて、
何となく時間を浪費するのではなく。

自分らしさを活かして、
自分らしく、
自分の人生を真剣に生きよう。

今、わたしができることに集中しよう。


わたしはこの本から、
そんなメッセージを受け取りました。


そして、百合子さんは、
「NAOのたまご(障がい者・障がい者家族∞つなぐネットワーク)」
という任意団体を立ち上げて、
心のバリアフリーが浸透する社会を目指し、
活動をスタートされています。

>>Facebookページはこちら

ぜひ応援の「いいね!」をおねがいします。


そして、著書はこちら。

石ころなんて関係ないと思っている人にも
ぜひ読んで欲しいですし、

どうせ私なんか、
好きなこともやりたいことも何もない。
と思い込んでる人
にも、
ぜひ読んで欲しいです。

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